桜蘭高校ホスト部(全18巻)/葉鳥ビスコ 感想
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2011/04/08 21:06:48
2011/04/08 21:06:48
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上流階級家庭の子供ばかりが集まる桜蘭高校特待生1年の藤岡ハルヒは、勉強ができる静かな場所を求めて第三音楽室に辿り着く。
しかしそこは「暇をもて余す美少年が、同じく暇をもて余す女生徒をもてなし潤す」ホスト部なる集団が営業していた。
不注意から、校内オークションに出展予定だった「ルネ」の花瓶を割ってしまったハルヒは、弁償金800万円の返済のため「ホスト部の犬(雑用係)」となるが、眼鏡を外した素顔が美形だった事から接客係に格上げとなる。
そして借金帳消しの条件として、100人(後に1000人追加)の指名客を集めるノルマを課せられ、ホスト部員としての第一歩を踏み出す。しかし大きな問題が…ハルヒは「女の子」だったのである。
かくしてホスト部隠れ紅一点のハルヒと、それを知った部員達との関係と思惑は、様々な出来事を経て次第に変化していくのだった。(wikipedia、桜蘭高校ホスト部ページより)
借金を肩に女子高生がホストクラブ(部)で働かされる……というと如何わしい感じですが、とことんお気楽でバカバカしいコメディです。
主人公の藤岡ハルヒは、成績優秀な弁護士を目指す女の子。ところが、たまたま訪れた第三音楽室――桜蘭高校ホスト部で高価な花瓶を割ってしまったために、男と勘違いされたままホスト部員として働くことを強要されてしまいます。
当然反発するハルヒ嬢ですが、眼鏡を外すと美少年+天然たらしのフェミニスト+桜蘭に珍しい庶民っぽさで評判は上々。
結局、第一話にしてホスト部面々には女とばれるのですが、借金を返したいし、女の子にちやほやされるのも面白いからと、そのまま男装ホスト活動を継続します。
第一話以降は、桜蘭高校のセレブ女子相手に男装ホストをするハルヒと、なんとかして女に戻そうとする病的なまでのフェミニスト部長(通称「(バカ)殿」)、面白がって共謀するホスト部部員の計7人で、訪れる女生徒達の様々な恋の悩みを解決するという1話完結型コメディにシフト。
濃いホスト部部員と超金持ち学校の「桜蘭高校」というとんでも設定ですが、無駄金遣いのホストギャグ→問題発生→みんなで解決、エピローグという「水戸○門」のように型にはまった展開は妙に安定感があって、破天荒なのに毎回ほのぼのと楽しめてしまいました。
部活でのホスト稼業も面白いですが、ホストをするために学校でも男子生徒として通学するので、学校での男装生活描写もそれなりに充実しています。
身体測定、更衣を挟む体育の授業といった男装ならではのイベントもあり、特に身体測定はそれだけに1話を割き、如何にしてクラスメイトを騙すかと計画を立てたりしています。
女の子が必要な時や休日には普通に女の子モードなので、男モード・女モードでの外見のギャップも楽しいです。
ただタイトルに反して超健全漫画なので、男装状態で男子更衣室やトイレに潜入などといった危ないネタはありません(笑)。
なお、内容は一応イケメン男子の中に主人公一人の逆ハーレム設定ですが、成績優秀クール男装天然毒舌美少女と色々属性詰め込みすぎのハルヒに部員たちがキャーキャー騒ぐばかりで、あまり恋愛色は強くありません。
ハルヒの性格も、普通に男装を受け入れているあたりかなりの変人なのですが、淡白で引っ込み気味の突っ込みタイプで、好きな相手にときめいたりといった描写は少ないです。
逆に、その誠実で勇敢な性格で、女の子に惚れられてしまう展開もありました。
ちなみにハルヒが性別に関して妙にゆるいのは、父親がニューハーフという驚愕の事実があったりします。
男装少女ハルヒ以外のキャラクターも個性的です。
フェミニストでナルシストで薔薇召喚能力を持つバカ殿・環、腹黒眼鏡の守銭奴・鏡夜、享楽主義の極悪双子、キュートな外見で超怪力の格闘ショタ・ハニー、寡黙で下手すると1話丸々喋らなかったりするモリ先輩のホスト部部員達だけでも十分濃いのですが、ハルヒに恋心を抱くヤの付く職業の御曹司、妄想腐女子でオタ知識満載のお嬢様・れんげちゃんなども登場。また毎回登場するゲストの少女も個性的で魅力的な少女ばかり。
ギャグに片足を突っ込んだ少女漫画コメディ、派手なリアクションが好きなら楽しめる漫画だと思います。
一方、男装少女との禁断の恋愛!などを期待すると、少しがっかりしてしまうかもしれません(いちゃいちゃメインは最終巻である18巻のみになります)。
後半になると恋愛要素も出てくるのですが、部員それぞれに抱える過去や柵というものがストーリーの中心にあり、それにハルヒとの関係(愛情だったり友情だったり)が絡んでくるというものになっています。
15巻あたりから、環の家庭に関連したシリアスが展開し少し雰囲気が変わりますが、全体を通してみるとお気楽コメディと言っていいかと思います。
タイトルから想像される内容とは確実にずれていそうな能天気セレブコメディ。
馬鹿ばかりの元気な少女漫画読みたい方にお勧めです。
女装キャラ(ネタばれ?)
ハルヒの父親がゲイバーで働くオカマさんです。出番は初登場の4巻以降、各巻1話程度。外見は派手な美人でハルヒには似ていません。
メインとなる回はほとんどなく、にぎやかせ要因のサブキャラorハルヒを見守るシリアスキャラ(女装要素なし)として描かれることが多いです。
10巻では父親の友人のオカマさんも登場しますが、外見は完全に男性でした。
なお「桜蘭高校ホスト部」は、2006年にアニメ化もされています。
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およそ原作通りの展開で丁寧に作られているアニメなので、原作ファンの方にもおすすめです。
また薔薇飛びまくり無駄なエフェクトに凝りまくりの妙なノリアニメなので、馬鹿アニメが好きな方にも楽しめるかと思います。
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