『ピカピカ家畜/厘のミキ』３巻で憑依ＴＳＦ

ピカピカ家畜 3 (3) (IDコミックス ZERO-SUMコミックス) (2009/02/25) 厘の ミキ 商品詳細を見る

ピカピカ家畜/厘のミキ/全３巻/コミックZERO-SUM連載/TSF(憑依)/女体化/男体化（こちらは１コマのみの小ネタ）/女装（一話のみ）/異世界ダークファンタジー

１巻粗筋：沢磨羽１７歳。ちょっと監禁され癖のある女子高生、ついに７８回目の誘拐。
突如異世界で美青年キュウの家畜にされてしまったマハネの明日はどっちだ!?
個性派ご主人様と勝ち気な少女マハネの主従関係は――…？
鬼才・厘のミキが描く悪ふざけファンタジー開幕!!


コミックZERO-SUMで連載されていた『ピカピカ家畜』最終巻で、弟が姉に憑依（正確には同化による意識のっとり的なもの）して女の子になります。
該当シーンはそこそこ長いですが、漫画自体はTSFがメインというわけではありません。
３巻冒頭に詳細な今までの粗筋があるので、TSF目当ての方なら該当のこの巻だけを買っても良いかもしれません。
ちなみに自分は１巻から読んでいますが、さっぱりわかりませんでした。
一応弟の執着が姉への憑依のきっかけになっているかもしれないので、弟登場の２巻から読んだほうがより楽しめるかも知れない・・・・・・ですが、正直よくわかりませんでした。

この物語は、死に掛けの人間の魂が集まる「ターミナル」という場所に入り込んだ少女・磨羽（まはね）が、一人の青年の家畜にされるところからスタートします。
イケメンのペット扱いされちゃう美少女の私あたし（ハート）、などの過激な少女漫画でありそうなものではなく、首輪を付けられ餌も皿から直食い教養の完全な家畜扱いです。
また家畜の仕事は食物を集めることなのですが、その食物というのがターミナルの人間を飴玉にしたものでしかもその飴玉にする方法というのが……というグロ設定満載漫画。
基本はスプラッタギャグなので、そういうもんだと割り切って笑えるか、それとも殺人に慣れていく主人公に恐怖を感じるかでギャグ漫画かサイコホラーかにわかれそうな内容。
とりあえず、血まみれ殺人グロ耐性は必須です。

TSFネタですが、３巻で磨羽の弟が磨羽に憑依します。
おそらく大好きなお姉ちゃんとずっと一緒にいたい→磨羽自身になるという流れかと思うのですが、正直よくわかりませんでした。

基本的におかしい人間しか登場しない『ピカピカ家畜』ですが、この弟というのもかなりおかしいです。
ずっと病気で意識不明だったため、外見はイケメンでも精神年齢は完全に幼児。
そして人の怪我、死といった概念は理解できません。
憑依したことにより「大好きな姉の魂」は消えているのですが、本人は「姉の体」に大喜び。
店に服を買いに行っては、画像の眼鏡（友達大好き、友達になら殴り殺されようとOK）と一緒に美少女コスプレ服を着る場面もありました。

収録されている第13～16話（最終話）で、憑依状態は第15話と16話で一ページ、さらに書き下ろしのおまけが該当です。
おまけはラストの主人公の選択が違っていたらというアナザーエンド。
３ページですが、TSF憑依漫画でここまでハッピーエンドというのはないのでは？という楽しい終わり方になっています。
作者らしい毒っ気全開で後味の悪さも抜群です。
14話では兄の肉体を自分のものにしようとする妹が登場しますが、憑依１コマで肉塊になるのでTSF的には微妙なところかもしれません。

ストーリー・設定自体は独特で興味深いのですが、この世界の謎が半端に明かされる最終巻が駆け足なので、内容もさっぱりわからない（あくまで個人的感想です）のが残念でした。
絵も話も癖が強いのでとても万人にお勧めできるものではありませんか、毒が強く思考も世界も物語も全てが狂った話が好きで、毒しかない世界に浸りたい方にはおすすめです。

また同時収録の読切「黒い世界」は、「愛」を否定する世界の王子を愛した烏の話ですが、こちらもかなりダークな作品です。
BL風グロ漫画なので苦手な方は読まない方が良いかと思いますが、猟奇的な恋愛や異常者独特の正義、お約束を叩き壊す後味が悪い作品などが好きな方には良作かと思います。

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