胡蝶ノ姫(全一巻)/水谷悠珠・かえで透 感想
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2011/02/08 20:17:54
2011/02/08 20:17:54
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変化、性別、蝶の翅。「大人になるってどういうこと?」
言葉にできない気持に揺れる、砂花(さか)はあなたを映す蝶――。
繊細な心情を幻想的に綴る、センシティブ・ファンタジック物語。

成人することで「男」か「女」になる蝶の一族の少女・砂花を描いたファンタジー作品。
蝶の一族は成人すると性別が決まるということのほか、男性はひ弱で美しい羽を持ち国政に携わり、女性は木の葉のような地味な羽を持ち、強靭な体で農業と子育てに携わる。
全ての子どもは「女王様」の子どもである、男女は生態上隔離されているなど、人間と異なる性質を持っています。
収録されているのは3話+書き下ろしのおまけ漫画1話。かわいらしく華やかな絵柄と独特の世界観が魅力的なファンタジーです。
第1話「砂花」
主人公の砂花は男嫌いの未分化の子ども。ところが親友の紅夜(こうや)、青葉(あおば)の2人が男性になってしまう。
姿も言葉も変わってしまった2人に「知らない人だ」と泣いて逃げた砂花は……。
第2話「華夜」
女性なのに男性のような美しい羽をもつ少女「華夜」。
雌雄型という特殊な姿のために村を追われる少女を追った砂花だったが。
第3話「水蘭」
砂花の恋と蝶の一族の国がなぜできたのかが描かれる。
おまけ
砂花とその兄の回想譚。
性別未分化ものはTSFか?ということはとりあえず置いといて、個人的には大満足の本でした。
まず絵が可愛い!!

画像は雌雄同体(肉体的には女性らしい?)の少女華夜。
少女マンガチックな絵柄で、繊細な雰囲気です。毎回服装が総レースでかわいらしいのも良かったです。
未分化ものですが、子どもの姿はひらひらワンピースで一人称が「私」「あたし」なので、描写は男体化に近いです。

ただ男体化しても外見は可愛いので、あまり「男になった」という感じはありません。
男になると言葉が変化、ロングヘアならショートカットになるなど、細かい変化がありますが、性格自体には変化はありません。
また少ししか登場しないのですが「女王様」が初登場時男性のような姿をしています。ただこちらは体の描写がはっきりないので、TSFかどうかはよくわかりませんでした。
生態が特殊なので「地獄先生ぬ~べ~」のサキュバスの回のような「性」を描いた面白さというのはありませんが、
男女どちらでもあるかのような優しい絵柄で描かれる物語は、印象的で良かったです。
ちなみに地獄先生ぬ~べ~サキュバスの回は26巻に収録されています。
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なお文庫版は未読なのでわかりませんが、粗筋によると「16巻」か「17巻」に収録されているようです。
ぬ~べ~サキュバス回は「いけさんフロムFR・NEO RE」さんの下記ページにて紹介されています。
リンク:http://ikesanfromfrneore.blog64.fc2.com/blog-entry-125.html
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