DOGスタイル~みなもと悠短編集~/みなもと悠 感想
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2010/12/11 20:40:42
2010/12/11 20:40:42
![]() | DOGスタイル (チャンピオンREDコミックス) (2010/12/08) みなもと 悠 商品詳細を見る |
※どこからどう見ても女の子の男の娘(表紙右)が登場しますが、女装はありません。
14歳の誕生日に科学者のおじいちゃんから贈られてきたプレゼント。開けてみるとそれは…ペットの犬型美少女!?
みなもと悠が描く魅力的な女の子満載の短編集!! 表題作のほか「叶えてアイゼン」「ネコったま!」「ヴィランズソウル」を収録。 (出版社粗筋より)
掲載誌も出版誌も飛び越えた、みなもと悠の短編集。
獣アンドロイドの全裸美少女と男の娘のエロコメディ「DOGスタイル」(チャンピオンREDいちご)、
恋の神様に願い事をしたら、なぜか女の子になっていた女体化ラブコメ「叶えてアイゼン」(コミックアライブ)、
神様の怪盗猫VSへたれ与力少女のSF風時代物アクションコメディ「ネコったま!」(Gファンタジー)
北条高時の時代を舞台にした「悪党」に復讐を誓う少年活劇「ヴィランズソウル」(ガンガンパワード)の4編を収録。
肉感的な美少女のエッチ系ハプニングと派手なアクション、そして男も女も的も味方も濃いキャラクター。「明日のよいち!」の作者らしいバラエティに富んだ作品集です。
エロ・アクション・硬派な時代物と方向性は様々ですが、絵は綺麗で話もわかりやすく面白いというのはどの作品も同じ。
全裸犬っ娘や未来武器を使う天然与力少女などキャラは特殊でイロモノくさいのに、話はかっちり起承転結がつけられ一つの「物語」として完成しているのが良かったです。
反面「奇抜さ」や「意外性」には多少欠けますが、どの話も安心して読むことが出来ました。
またみなもと悠のファンなら、そこここに隠れている「明日のよいち!」キャラを探すのも楽しいと思います。
表題作の「DOGスタイル」は、小さい頃に「犬が欲しい」と言ったばっかりに、誕生日に全裸の犬少女が送りつけられてしまった男の娘が主人公のエロコメディ。
「よく聞け小僧 私はお前の犬だ。そしてお前は私のご主人様だ」
ヒロイン?の「犬」は誕生日に届いた全裸に首輪の女の子という萌え設定ですが、思考は完全に犬のまま。
博士に作られた~と言っているのでアンドロイドのようですが、機械要素は0の野生少女です。
全裸でじゃれつき、全裸でアクション。37ページ中服(といっても裸にシャツのみ)を着ているのは3ページ。
しかし犬なので全く恥じらいはなく、常時全裸なのに健全な雰囲気が漂ってエロ要素なし。
主人をバカにしたような言動が多いのに、あくまで行動は従順で素直というのは新鮮でした。
ちなみにエロコメ要素は「犬」ではなく主人公(男)。やたらとセクハラ攻撃される主人公は可愛いですが、全裸少女を差し置いて男がヒロインというのはある意味チャンピオンらしいかもしれません(笑)。
「叶えてアイゼン」はTSFラブコメディ。恋の神様に頼んだら、なぜか女の子に!?というお馬鹿漫画ですが、意外と展開は王道的な恋愛漫画です。
少女の報われない片思いや恋のライバル登場などシリアスな部分も多いのですが、ちょこちょこくだらないギャグが入って気軽に読めます。
女体化の割にサービスカットが意外と少ないのは残念ですが、女になった主人公は可愛く楽しい作品です。
そして「明日のよいち!」の某偽幼女も登場。名前・容姿のみ同じの別キャラのようですが、こちらも可愛くて良かったです。
TSF詳細は「叶えてアイゼン感想記事」をご覧ください。
「ネコったま!」は庶民の味方の義賊・怪盗ネコと、彼女を追うへたれ与力の少女のアクションコメディです。
テレビや催涙弾などが存在する江戸の町は、ジャンプ連載中の「銀魂」を思い出しました。
体つきは妙にえろいのですが、スクエニGファンタジーらしくサービスカットは0。普通に面白い少年漫画という感じです。
怪盗ネコはネコ耳風髪がピコピコ動く人間ではない少女ですが、獣人と言えるのかはかなり微妙なところ。
微妙と言えばネコの性別も微妙です。ツルペタ女好きのどう見ても少年のネコが、変身後は美乳美少女に。女体化かとも思いましたが、特に説明もないので普通に男装?
よくわかりませんがとりあえず可愛かったです。
そして最後の「ヴィランズソウル」。
北条高時の時代を舞台にした復讐活劇で萌えシーンは一切ありません。
農民のために悪事に手を染める「悪党」に復讐を誓う少年・行眞。
「悪党」に救われる農民達を知りながら、それでも仇討ちと正義のために戦うことしかできない行眞を襲うもう一つの真実とは?
みなもと悠の初期の作品ですが、今の作風を知っている方には意外すぎる内容です。暗い物語ですが「正義」とは何か「悪」とは何かを問いかける熱い物語です。
エロ全開の表紙に反し、様々な作品が詰まったごった煮短編集。次にどんな話が来るのか読めず、しかもどれも面白かったので、読んでいてとても面白かったです。
そして最後の「ヴィランズソウル」!!初め妙にガンガンの読みきりっぽい絵柄(丁寧、濃い、血しぶき、イケメン)だなーと思っていたのですが、やたらと既視感を覚えるので確認したらガンガンパワード初出の文字が!
まさか新人読みきりばかりのスクエニの問題雑誌パワード(廃刊済)の文字を見るとは。
たぶん他にも何作かパワードで描かれていたものも読んでいるはずなのですが、この単行本で読むまで同じ人とは全く思いませんでした。絵全体は似ているのですが、目の描き方が全く違う・・・・・・。
みなもと悠ファンの人も、前から気になっていたけど「明日のよいち!」は長すぎるという人にもお勧めの単行本。
もちろんみなもと悠未読の方にもおすすめです!!
関連記事:叶えてアイゼン(『DOG スタイル/みなもと悠』収録) 感想
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