ほっとDog(全1巻)/石川優吾 感想
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2010/10/24 18:34:12
2010/10/24 18:34:12
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雨が降りしきる街の片隅に捨てられていたマルチーズのぺル(♀)は、優しい青年に拾われ一緒に暮らすことに。
まだ幼く好奇心旺盛で、少しワガママなぺルとご主人様の心温まる愛犬物語。
『カッパの飼い方』石川優吾が、犬側の視点と人間側の視点で描く、新感覚わんダフル飼育コメディ!
擬人化したぺルのちょっとエッチな萌えコスプレにも注目!!
犬版『綿の国星』in青年誌。
とある青年に飼われたマルチーズ・ぺルと、ご主人様の青年を描いたペットコメディです。
登場するのはマルチーズのぺルにシェパードのジョン、チワワのエル、それにそれぞれの飼い主たち。
ぺルを初め犬達は、『綿の国星』同様、犬視点だと人間の姿(例えばぺルは巨乳コスプレ美女、ジョンは筋肉男、エルはメイド服を着た老人です)で描かれています。
なお粗筋には犬側の視点と人間側の視点で描くとありますが、人間側の視点はあくまでコスプレ巨乳美人ぺルを人間視点で見たら?ということで使われていて、人間側の感情が描かれることはほとんどありません。
犬たちはなぜか人間の姿で描かれていますが、ストーリーは洋服を着たマルチーズ・ぺルが、飼い主や他の犬との日常に終始。特に大きな事件などが起こることはありません。
見た目はコスプレ美女のペルですが、風呂嫌いで食事は犬食い、散歩の時は首輪をつけて・・・と完全に犬のまま。
もちろん飼い主がぺルに恋心をなんて突飛な展開もなく、安心して読める擬人化コメディです。
あくまで「動物」として描かれる「動物視点で擬人化もの」は私が大好きな設定の一つなので、楽しく読むことが出来ました。
ただ、この漫画は「青年誌連載」でした。
私が今まで読んだ人間の姿で描かれた動物視点の日常ものは、『綿の国星』、『ちょこっとヒメ』『わんの実』などがあるのですが(他にもちょっと違いますが『動物のおしゃべり』とか)、どれも少女漫画や健全4コマ誌連載でした。
しかしこの漫画は青年誌連載。そのせいか、かなりサービスシーン多めになっています。
サービスシーンが多いこと自体は全く気にならないのですが、おそらくサービスシーンを増やすために、子犬の筈のぺルが巨乳美女として描かれていたことが気になりました。
作中では特に「子犬」という表現はありませんが、粗筋に「幼い」という表現がありますし、初めての散歩にシャンプー、他の犬との接し方などの描写は子犬のもの。それなのに容姿は大人。
また他にも服を着ていない犬は多いはずなのに、ぺルの着替えのシーンだけ全裸で描かれているのにも違和感を覚えました。
もうひとつ、犬なのに数字が読めるというのもありましたが、これは私が大好きな児童小説『ルドルフとイッパイアッテナ』シリーズでもあったので、個人的にはそれほど気になりませんでした。
犬たちの言動は犬らしく、また真剣な犬たちを飼い主達が微笑ましく見守るなど人間と犬のズレも描かれているのは面白かったです。
ただ面白いだけに、ちょこちょこ違和感を覚えるところもあったのが残念でした。
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