水木しげるの「立体妖怪図鑑」/岡崎秀美 (写真), 水木プロダクション (監修) 感想
admin≫
2010/10/22 20:16:50
2010/10/22 20:16:50
一応漫画つながりということで。
水木しげるの「立体妖怪図鑑」
妖怪フィギュアを世にも妖しく撮り下ろし!
水木しげる氏本人が製作監修し、現在一部が入手困難となっている立体フィギュア合計161体(妖怪舎製)を、
妖怪を愛してやまないカメラマンが、ロケやCGを駆使して撮影。
巻末に水木しげるインタビューなどを収録。
水木しげるの作品に登場する妖怪のフィギュアを、妖怪解説とともに紹介していく立体妖怪図鑑。
紹介されているフィギュアは水木プロ監修の元、島根県にある会社「妖怪舎」で作られたフィギュア達。
ろくろ首に一つ目小僧といった有名な妖怪から、カシャンポ、サザエ鬼といったそれほど有名ではないもの。
ねずみ男に河童の三平、さらには吸血鬼エリート、丸毛といった水木しげるの作品にしか登場しないものまで紹介されています。
せいぜい7cmほどの小さな妖怪達ですが、朽ち倒れた木や民家の天井、波の狭間に現れる姿は美しくまた薄気味悪く、その精巧さも含めてとても手のひらに収まるとは思えませんでした。
また水木プロ、そして水木しげる自身に監修された妖怪達はフィギュアとしての出来はもちろん、その表情のためかその躍動感のためか、今にも動きだし笑い出しそうに見えました。
フィギュアの内訳は妖怪をフィギュア化した「妖怪フィギュアコレクション」118体、鬼太郎の漫画の一場面を再現した「原作フィギュアコレクション」36体、非売品フィギュア3体。
妖怪フィギュア118体とは言っても、鬼太郎など一部複数の形が作られているものもあり、解説とともに紹介されているフィギュアは98体で、またその中には一部人間のキャラクターも含まれています。
原作フィギュアコレクションは、鬼太郎ばかりではなく九尾の狐に話しかけられているぬりかべ、のっぺらぼうの人魂のてんぷらなども再現されています。
どれもこれもその小ささを感じさせない再現度で味があり、場面のチョイスにも「鬼太郎」への熱意が感じられました。
反面もったいなく思えたのは、各妖怪の解説で「水木しげる作品」ということに凝り固まった表現がされていたことです。
絵という二次元でしか表現されない妖怪達を立体で作り出すという試みは非常に面白く、合成・CGもあるとは言え、立体ならではのリアルを感じることが出来ました。
解説も詳しく、短い文でその妖怪の容姿から性質、逸話など様々なことを紹介してくれています。
が、解説の中にさらりと水木しげる作品の中の言動を記してあるので、純粋に「妖怪辞典」として使うことはできません。
解説も写真も非常に面白いだけに、妖怪に興味をもったばかりの人は誤解してしまうかもしれない内容になってしまっているのは本当に残念でした。
なおタイトルに「水木しげるの」とはありますが、解説は水木しげるではなく水木プロダクションによって書かれているようです(特に解説者名は掲載されていませんでしたが、確実に水木しげるではないと思われます)。
その分、妖怪もフィギュアも水木しげるも大好き、という方にはたまらない内容でしょう。
ラストには水木しげるへのインタビュー7ページ、フィギュア制作の「妖怪舎」社長・木村正章、妖怪の雛型を制作しているベネリック株式会社・小山敦へのインタビュー7ページ、フィギュア生産行程紹介1ページも掲載されています。
純粋に妖怪の図鑑として使うのは難しいですが、水木しげるファンの方、妖怪が好きな方、また緻密なフィギュアが好きな方にはお勧めの本です。
水木しげるの「立体妖怪図鑑」
![]() | 水木しげるの「立体妖怪図鑑」 (2007/04/25) 不明 商品詳細を見る |
水木しげる氏本人が製作監修し、現在一部が入手困難となっている立体フィギュア合計161体(妖怪舎製)を、
妖怪を愛してやまないカメラマンが、ロケやCGを駆使して撮影。
巻末に水木しげるインタビューなどを収録。
水木しげるの作品に登場する妖怪のフィギュアを、妖怪解説とともに紹介していく立体妖怪図鑑。
紹介されているフィギュアは水木プロ監修の元、島根県にある会社「妖怪舎」で作られたフィギュア達。
ろくろ首に一つ目小僧といった有名な妖怪から、カシャンポ、サザエ鬼といったそれほど有名ではないもの。
ねずみ男に河童の三平、さらには吸血鬼エリート、丸毛といった水木しげるの作品にしか登場しないものまで紹介されています。
せいぜい7cmほどの小さな妖怪達ですが、朽ち倒れた木や民家の天井、波の狭間に現れる姿は美しくまた薄気味悪く、その精巧さも含めてとても手のひらに収まるとは思えませんでした。
また水木プロ、そして水木しげる自身に監修された妖怪達はフィギュアとしての出来はもちろん、その表情のためかその躍動感のためか、今にも動きだし笑い出しそうに見えました。
フィギュアの内訳は妖怪をフィギュア化した「妖怪フィギュアコレクション」118体、鬼太郎の漫画の一場面を再現した「原作フィギュアコレクション」36体、非売品フィギュア3体。
妖怪フィギュア118体とは言っても、鬼太郎など一部複数の形が作られているものもあり、解説とともに紹介されているフィギュアは98体で、またその中には一部人間のキャラクターも含まれています。
原作フィギュアコレクションは、鬼太郎ばかりではなく九尾の狐に話しかけられているぬりかべ、のっぺらぼうの人魂のてんぷらなども再現されています。
どれもこれもその小ささを感じさせない再現度で味があり、場面のチョイスにも「鬼太郎」への熱意が感じられました。
反面もったいなく思えたのは、各妖怪の解説で「水木しげる作品」ということに凝り固まった表現がされていたことです。
絵という二次元でしか表現されない妖怪達を立体で作り出すという試みは非常に面白く、合成・CGもあるとは言え、立体ならではのリアルを感じることが出来ました。
解説も詳しく、短い文でその妖怪の容姿から性質、逸話など様々なことを紹介してくれています。
が、解説の中にさらりと水木しげる作品の中の言動を記してあるので、純粋に「妖怪辞典」として使うことはできません。
解説も写真も非常に面白いだけに、妖怪に興味をもったばかりの人は誤解してしまうかもしれない内容になってしまっているのは本当に残念でした。
なおタイトルに「水木しげるの」とはありますが、解説は水木しげるではなく水木プロダクションによって書かれているようです(特に解説者名は掲載されていませんでしたが、確実に水木しげるではないと思われます)。
その分、妖怪もフィギュアも水木しげるも大好き、という方にはたまらない内容でしょう。
ラストには水木しげるへのインタビュー7ページ、フィギュア制作の「妖怪舎」社長・木村正章、妖怪の雛型を制作しているベネリック株式会社・小山敦へのインタビュー7ページ、フィギュア生産行程紹介1ページも掲載されています。
純粋に妖怪の図鑑として使うのは難しいですが、水木しげるファンの方、妖怪が好きな方、また緻密なフィギュアが好きな方にはお勧めの本です。
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