國崎出雲の事情 ３巻/ひらかわあや 感想

國崎出雲の事情 3 (少年サンデーコミックス) (2010/10/18) ひらかわ あや 商品詳細を見る

國崎出雲の事情/ひらかわあや/１～７/少年サンデー連載中/女装/コメディ

どんな美女より美男の娘!!!
次々と大役を果たし、成長を見せる出雲は今回、名門・菅原家と共演することに。だが、その菅原兄弟が強烈なクセ者で出雲は完全に見下され、そのうえ兄弟仲は修復不可能とまで言われる状態…出雲は舞台を成功させられるか!!? そして、3巻ではまたしても玄衛の罠に嵌められ、メイド喫茶でアルバイトすることに!!! 出雲、どうなる!!?
編集担当者からのおすすめ情報
イケメンのクセ者・菅原兄弟を出雲はどうやって説き伏せるか、その美しさと鮮やかさをお楽しみください。そして…歌舞伎とは関係のない所でメイド化した出雲の動向、さらには初版限定カバー裏の「あられもない出雲とアノ人」も必見です!!!
(Amazon紹介より)


加賀斗君、全私服女物疑惑発生。
出雲と違って完全女装趣味の加賀斗君。女装モードでは２コマのみの出演です。

１巻で紗英、２巻で玄衛と順調にフラグを立てている出雲。
今回は兄弟仲最悪の２人、メイド喫茶に通う生真面目眼鏡・菅原松樹と、その兄の不良役者・菅原梅樹を相手に｢籠釣瓶｣を演じることになります。
最初の目的は打倒「菅原屋」!!だったのですが、兄弟の話を聞くうちに２人を仲直りさせたいと考えます。
口よりも先に手が出る凶暴少年ですが、なんだかんだで面倒見が良く優しい性格が素敵です。
もっとも仲直りの手段はメイド姿で追いかけるという荒業でしたが。

というわけで、今回は通常の花魁女装だけでなくメイド女装もかなり多くなっています。
メイド喫茶でバイトを始める第二十幕から菅原兄弟の仲を取り持つ第二十三幕まではほぼメイド姿。
相手はメイド喫茶通いが趣味のくせに、女嫌いの菅原松樹。そんな彼と仲良くなろうと懸命に追いかけるメイド少女(出雲)。

実際こんなメイドっ子に追いかけられたら惚れもするとは思うのですが、どう見てもラブコメな展開(特に紗英と松樹)には、思わずこれラブコメだっけ？と思ってしまうほどでした。
松樹を「ご主人様」と呼んで女の子らしく振舞おうとする(でもすぐボロが出る)出雲は可愛かったです。
もちろん可愛いばかりでなく、舞台を前にして美しく勇ましい出雲も登場。

どんなに可愛くても決める所はがっちり決めてくれます。

各話あらすじ
３巻に収録されているのは第十九話から二十八話まで。
内容は先の菅原屋との舞台と菅原兄弟の話が中心になっています。
第十九話：前回の盗撮犯人探し
第二十話～二十三話：菅原兄弟仲直り大作戦(メイド編)
第二十四話～二十五話：菅原兄弟仲直り大作戦(舞台編)
第二十六話：球技大会編
第二十七話～二十八話：肝試し編＋カバー下イラスト＆４コマ

二十六話以降の菅原兄弟の壊れっぷりが楽しいです。
メイド・花魁以外にも妄想の中で妹や猫服なんかの女装もありました。

新キャラ菅原兄弟のほか、１・２巻でフラグ成立済みの紗英や玄衛も登場。
　妄想癖のヘタレイケメンや
　腹黒どころかなショタが、いい感じにシリアスな空気をかきまぜてくれています。
幼馴染もゲームのサポートキャラ的立ち居地で活躍。唯一の女の子キャラ(しかもいい子で可愛い)なのに、全くヒロインっぽさがありません。
３巻ともなるとキャラクターもそこそこ増えているのですが、この漫画には嫌いなキャラがいません。
出雲とヒロイン？以外は、性格が悪かったり屈折したりもしているのですが、その性格の悪さが逆に人間くさい魅力に映りました。
やっぱり一番の目当てはやんちゃな男の娘・出雲なのですが、コメディと熱血と間違ったラブコメが詰まっている「國崎出雲の事情」という漫画自体もとても良かったです。
特殊なキャラの割に展開は王道ですが、その分安心して読めます。本当に読んでいて楽しい漫画でした。

１、２巻が好きだった方、凶暴なのに可愛い女装っ子が活躍する漫画が好きな方、馬鹿で明るくてちょっと爽やかな青春ものが好きな方にお勧めの漫画です。

既刊感想 ： １巻 / ２巻 / ４巻 / ５巻 / ６巻 / ７巻 / ７巻限定版ドラマＣＤ感想