アンチ・マジカル ~魔法少女禁止法~/伊藤ヒロ 感想
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2010/10/02 20:53:10
2010/10/02 20:53:10
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『魔法少女禁止法』制定から10年。一切の魔法少女活動が禁止された世界で、引退を拒否して非合法のまま活動を続ける魔法少女がいた―。
気弱で女の子みたいな所のある少年・佐倉真壱は、彼女に助けられたことがきっかけで女装魔法少女となり、元魔法少女達を狙って起こる事件を追いかけることに…。
一部で有名な伊藤ヒロ(=伊藤イツキ)の魔法少年ライトノベル。
舞台は『魔法少女禁止法』が制定されてから10年後の日本。
10年前・・・それは宇宙からの外敵と月に代わっておしおきする変身ヒロインとその仲間達や、空飛ぶぶたの女の子によく似た魔法少女が活躍していた時代。
とある悲劇と社会状況によって魔法少女が禁止された世界で、1人魔法少女として戦う女性がいた。
主人公・佐倉真壱は彼女の力になるため女装魔法少女として戦い、元魔法少女達を狙う事件を追いかけていく・・・という話。
登場する魔法少女達は各種変身ヒロイン漫画・アニメのパロ尽くし。名前は変えられていますが、細かい台詞・言動でもろバレです。
そして
ウォッチメン
1985年、東西冷戦下のアメリカでは、核戦争の危機が目前に迫っていた。
そんなある日、ひとりのニューヨーク市民が殺害される。政府により禁止されたヒーロー活動を続けていたロールシャッハは、独自の調査で、殺害されたのが、かつての仲間コメディアンであることを突き止める。
これはヒーロー抹殺計画の第一段階なのか?
事件を追ううちに、ヒーローたちはそれぞれの心の闇に直面し、やがて世界を根底から覆す巨大な陰謀に巻き込まれていく……。
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自分は未読なのでわかりませんが、レビューを見ると割とそのまんまらしいので多分そのまんまなのでしょう。
ぶっちゃけぱくりです。なのでそういうのが気になる方にはお勧めしません。
ただ作者もブログ・後書きでネタにしているくらいなので、悪質なモノではないのですが。
主人公・真壱は自分を助けてくれた魔法少女(と言っても既に大人ではありますか)に憧れ、法を犯し魔法少女になることを決意します。
魔法少女の闘いがメインなので女装自体はとても多く、主人公の登場するシーンは8割ほど女装です。
服装もかわいらしくひらひらワンピ風のヒロイン服。顔立ちも可愛いので、どっからどう見ても完璧に女の子です。
ただ、女装自体の描写はほとんどありません。
序盤の空を駆ける場面で、スカートがひるがえる様が描かれる程度です。
文章にない描写でも妄想で補完できる方にはいいですが、通常の文体でも年上の女性に憧れる"少年"なので萌えは少ないです。
一途な真壱は可愛くはありますが、魔法少女・真壱に片思いする幼なじみの視点も多く、やはり「男の娘」「女装っ子」として萌えるのは難しい気がします。
漫画アニメに登場する魔法少女が全て実在する日本。
そのほとんどは、正体を隠して一般人として生きているが、その中には狂い不幸になった者達もいた・・・。
そして彼女たちを襲う謎の敵、神となった魔法少女の存在。
とある犯罪によって、犯罪者となってでも信じる「正義」のために戦い続けるようになった魔法少女も痛ましく、内容・展開・キャラクター、どれも満足することが出来ました。
ただ、話自体は面白かったのですが、盛大なぱくりに初まり全体的に不条理な悪趣味で彩られています。
特に○○レイプ、そして殺害の描写には冗談抜きで吐き気がしました。
ラスボスが撲殺スタイルのでかい○○○なのも、想像するとギャグチックですが描写はかなりえぐいです。
また変身ヒロインの中でも特に「セーラー○ーン」のパロキャラ達が中心になっているのですが、一部気に入らない改変もありました(海王星とか海王星とか海王星とか)。
改変度はかなり高く、一部のキャラはガチ百合レイプ未遂犯にされているので、セーラー○ーン至上主義の方は回避された方が良いかもしれません。
他にもパロキャラが多く登場するので、元ネタを当てるのは結構面白かったです(他にも「魔法騎士○イアース」や「怪盗セイ○トテール」などがありました)。
ラストは一応終わっていますが、謎を残す終わり方なので、そのうち続編が出るかもしれません。
女装描写を妄想補完できないと女装萌えは難しいですが、悪趣味な魔法少女(というか変身ヒロイン)もの、作者のファンの方にはおすすめです。
10/10追記:第一回本格ライトノベル大賞選考会 受賞おめでとうございます
「第一回本格ライトノベル大賞選考会」がどういうものなのかいまいちわかりませんが、「アンチ・マジカル」が対象を受賞したそうです。
他のノミネート作も知らないでいうのもあれですが、個人的には賞とかとるような作品とは思わないので驚きました。
『夢幻回廊』なんか大好きですが、萌えゲーアワード受賞とか言われたらやっぱり首を傾げたくなります。
尚、探し方が悪いのか公式での受賞の記載は見つからず、個人ブログのくらむぼん日月抄さんでのみ受賞の旨を見ることが出来ました。
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