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怪異いかさま博覧亭(全5巻)/小竹田貴弘 感想 

怪異いかさま博覧亭 5巻 (IDコミックス REXコミックス)怪異いかさま博覧亭 5巻 (IDコミックス REXコミックス)
(2010/08/09)
小竹田 貴弘

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怪異いかさま博覧亭/小竹田貴弘/全5巻/コミックREX連載/妖怪/獣人(烏・亀・猫等。全て妖怪)/TSF/女体化(憑依・小ネタ)/江戸時代/コメディ

とんでもねぇやろうたちが花のお江戸で大暴れ!
日本一の繁華街・両国を舞台に見世物小屋「いかさま博覧亭」を営む面々が毎回事件を巻き起こし妖怪たちまであらわれて…、ちょっと小粋な江戸噺 開幕です。
(1巻粗筋より)

下のページのリンクから1巻(16ページ)と2巻(18ページ)の試し読みが出来ます。
http://www.shop.ichijinsha.co.jp/book/booksearch/booksearch_detail.php?i=75806062
1巻の方には妖怪が登場しないのですが、2巻の方は1ページ目から付喪神が大量に登場しています。
五徳猫(五巻表紙の猫)と瀬戸大将(五巻表紙の徳利)が可愛い。

この漫画の魅力は、なんといっても大量の妖怪・怪異です!!
博覧亭の二階に隠れ住むたくさんの付喪神達(○○の付喪神、ではなく鳴釜、靴(かのくつ)などちゃんと妖怪名になっているのも個人的にポイントが高い)、レギュラーの登場人物にも正体隠した妖怪が2人と一匹。
また全てのゲストキャラというわけではありませんが、かなりの確率で妖怪・幽霊が登場。
二巻の小池一夫氏コメントに「この一冊分を知ってるだけでスゴッと思われる」とあるんですが、誇張なくそう思います。
更に主人公の蘊蓄に登場した妖怪まで含めると何体の妖怪が登場したのか分かりません。
またこの蘊蓄がかなり面白く、江戸に描かれた鳥山石燕の妖怪本よりさらに昔にさかのぼった解説を披露してくれています。
しかもこの蘊蓄、単行本化に当たって毎回加筆増量されます。なにせ江戸小ネタ+妖怪雑学蘊蓄ページが毎巻4~5ページ以上あるのです。

そして二番目の魅力は物語。
基本一話完結で、問題発生→主人公が解決という非常にオーソドックスな作りになっています。
でもこの基本が毎回しっかりしている漫画は珍しいのではないでしょうか。
魅力的なキャラクターが起こす騒動を、主人公の榊が推理・推測して解決。昼行燈の妖怪馬鹿が、時には問題の裏の裏を見て解決するのはスカッとします。
しかもその問題が妖怪に絡んだ事件だとしたら尚更。
といってもそのほとんどは妖怪オタクの偉人と妖怪探しとかしょうもないものだったりするのですが(笑)

そして最大の魅力は個性的なキャラクターです。
とんでもない妖怪馬鹿のせいで、逆にそう簡単には妖怪を信じなくなってしまった榊、榊の幼なじみの美人という設定なのに、いつの間にか巨乳女子セクハラ魔と化していた元ヒロインの妖怪絵師・蓮華。
店の客入りを憂えては算盤で踊り狂う番頭・柏、やたらと色呆け百合妖怪に惚れられる家事専門の女の子蓬に、極度の怖がりで妖怪を見る度卒倒する駄目っ子くのいち八手、榊大好き烏少女。
他にもこの世の何より酒が好きな巨乳尼僧に、その監視役でとんでもない守銭奴のおかっぱドS美少女、アレな薬を作っている榊の親友と濃いキャラ揃い。
町の住人も見世物小屋を出しているだけあって、軽業師に手長足長、蛇女に木乃伊職人と、なにかと面白いキャラが多いです。そしてなぜか百合成分も高めです。

絵からして可愛らしいキャラクターのほのぼの妖怪コメディっぽいですが、この漫画に登場する人々は決して善人ではありません。
いつも金に困っては、がめつく金金言っているような人たちで、一部は人をだまくらかすことも平然とやらかしてきます。でもそこが妙に人間臭く、決して嫌いにはなれないのです。
濃いキャラ達が織り成すドタバタは基本的にギャグ一辺倒。
「見世物小屋」が立ち並ぶ場所ということもあって、影曇りない気分爽快明るい漫画というわけにはいきません。
明るいドタバタという表の裏にはそれぞれの傷も確かに潜んでいます。しかしそこがメインになることはほとんどなく、言葉の裏側に微かにそういうものを匂わせる程度です。
そしてやっぱりギャグ漫画。ハッピーエンドはお約束なので、純粋に楽しく読めたのも良かったです。

また癖の強い人間・妖怪の騒がしい日常の中には、人同士の繋がり、そして「家族」といった要素も織り交ぜられています。
博覧亭の人たちは、博覧亭の座員という繋がりだけで、血のつながりはありません。けれどもお互いがお互いをどつきあったり、わめいたりするドタバタの中に、ほっこり優しい空気が感じられる大好きな漫画です。

ちなみにこの漫画五巻で終了しているのですが、wikipediaに思いっきり「打ち切り」と書かれてました。だから雑誌リニューアルとか嫌いなんだ!!

……とか思っていたのですが、ググってみると「電撃コミックジャパン」での再開が決定したようで。
最終回の余韻も切なさもあったもんじゃない(笑)
雑誌が移っても頑張って追っかけます!!

TSF小ネタ:1巻収録第一話で男の貧乏神が蓮華に憑依してバトル。該当は5ページのギャグです。
上にあるリンクから第一話が試し読みできますが、該当シーン前で終わっています。

関連記事:いかさま博覧亭(1巻)/小竹田貴弘 感想
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この記事へのコメント

よかった。大好きな連中なので、中途半端なサヨナラは寂しかったもので。
わたしも追いかけますよ。
続きます!!
私もこの漫画の登場人物がみんな大好きなので嬉しいです。
コメントありがとうございました。
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