悪霊-シュトヘル- (3)/伊藤悠 感想
admin≫
2010/08/11 23:26:27
2010/08/11 23:26:27
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おもしろかったです。そしてTSF該当です。
あまりにもシュトヘルの存在が強すぎて、女体化主人公が話を聞き続けて終わるのかと思ってました・・・。
復讐と希望の間で揺れる女戦士ーー
蒙古軍による西夏国侵攻が続く13世紀。
味方の裏切りにより瀕死となったユルールを救うため、決死の覚悟で蒙古の砦へ向かうシュトヘル。
そこで、出奔した弟・ユルールを追跡中のハラバルに遭遇する。
彼こそ、シュトヘルが仇として憎しみ続ける「虎の男」なのだが…!?
人は何のために闘い、そして死んでいくのか…!?
伊藤悠が13世紀の大陸を舞台に圧倒的筆致で描く歴史超巨編!! (公式あらすじより)
現代日本の高校生・須藤は奇妙なクラスメイトのスズキさんに出会い奇妙な体験をする。
女の体で出会った小さな少年が語るのは、ある悪霊の物語。
蒙古軍によってなかまを殺された挙げ句その死体すらも辱められた少女は悪霊―シュトヘル―となって蒙古軍人を惨殺していく。
一方とある蒙古軍に与する一族の皇子・ユルールは、シュトヘルの生まれた西夏の文字を護るために、砂漠へと出奔していた。
この話には弱い少女が極限状態の中、獣をその身に宿していくという凶暴なまでの戦いの物語と、文字を愛する少年が文字を護るため戦うというどこか哀しい物語が並列し一つの物語へとつながっていきます。
強烈で凄惨な戦いの物語と「文字」に魅せられる少年。奇妙な組み合わせは強く結びついたまま一つの結末を迎えます。
そんな彼らが生きる舞台はあまりにも完成していました。
それこそ、現代日本の少年が古代モンゴルの少女になって・・・というSF設定だったことを忘れるくらいに。
もちろん実際は覚えてはいた筈なのですが、読んでる最中そのことを忘れるくらいどっぷり浸っていたんだと思います。
そして完成された「シュトヘル」の世界に一般男子高校生=異物が混ざり入れ替わる違和感。
「タイムパラドックス」も好きなので現代編は読んでいて楽しかったです。
表紙の印象は、気軽に手に取る、という本ではないと思います。
ですがこの表紙に惹かれた方、強烈な作品・世界に触れたいという方は探してみて欲しいです。
TSFネタ感想は続きに。若干ネタバレ、テンション違いにご注意ください。
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ところでこの本を読んだ後、私も西夏文字を検索してみました。
西夏文字:Wikipedia
漢字とよく似ているのですが、象形文字起源ではないとのことで文字から意味を想像するのが難しい。
柔らかな線もあるのですが、どこか画一的でブロックのような不思議な文字でした。
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