かみあり(2)/染屋カイコ 感想
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2010/07/15 00:49:20
2010/07/15 00:49:20
![]() | かみあり 2 (IDコミックス REXコミックス) (2010/07/09) 染屋 カイコ 商品詳細を見る |
『かみあり』のくには毎日がお祭りみたいです!
10月の出雲で繰り広げられるふたりの少女と、ちょっとおかしな神様たちの不思議な交流奇譚。
2巻もたくさんの神様がおいでです。(公式HP+帯より)
10月、神在月の島根県にやって来たこてこての関西少女・幸子と、幸子の親友にして眼鏡の常識人エミを待ち受ける神様騒動を、コミカルでどこかのほほんとしたタッチで描く神様コメディです。
登場するのは神様にだって素で振る舞う、どこまでも天然な女の子幸子と彼女の親友で若干行き過ぎた友情的雰囲気を漂わせるエミ。
そして元人間現神様の安倍晴明を筆頭に、72柱の魔人の一柱(要はすごい悪魔)・アガレス大公爵、関西弁の白虎にトラ耳スーツの人型白虎。姐御肌の鬼子母神にほんわか天然インドの神様パールヴァティ、眼鏡の守護神が高じて眼鏡フェチ化した玉祖命、エジプトの猫女神バシュタート、更にはゲームから派生した流行神(はやりがみ)リグドラ。
20人を優に超える神様、悪魔、妖怪、天使が登場します。
内容はとても日本らしい神様漫画です。
どこの国の神様でも、どんな背景を持つ神様でも、強制するでなく否定するでなく、日本の風土にとろとろ溶かしこむゆるく柔らかな日本の神様事情。
それ反映するかのようにどんな神様でも登場するこの作品は、日本の神様観・宗教観を象徴しているように思いました。
そして何より面白い!いろんな神様が出てくるので、別の国にいる似たような神様や他の国から日本に流れ着いた神様、果てはゲームから生まれた神様まで登場してくる懐の広さが気持ちいいです。
特に「ゲームから生まれた神様」というのが面白いです。人が作ったゲームをたくさんの人が知ることで、虚構の神様が本物の神様になる。
これは1巻でも書かれたことですが、今巻では元々実在する「ガブリエル」「観世音菩薩」をモデルにした「ゲームキャラ」が、ゲーム要素の入った流行神として描かれていました。元の神とかけ離れた虚構の存在が、別の神様として誕生するのが興味深いです。
また、20人を超える~と書くとそれぞれが薄くなりそうですが、神話・伝承を守りつつ発揮される個性的な外見に癖のある性格と、誰もかれも濃いキャラクターになっています。
特にこの巻収録の十三話は「神様を勉強する」という目的で今まで登場した神様にインタビューをする話で、たくさんの神様について、神様の口から説明してくれました。
神様の描かれ方も面白いのですが、漫画としてもとても面白いです。ぼけぼけな幸子とクールな外見に反して心配性で幸子思い(というか大好き)なエミの2人は見てて楽しいですし、起こる事件も「おむすびころりん」が現実に!やら、学校全員ねこみみ化やら、妙に気の抜けたものが多く、お祭り騒ぎな毎日の割にどこかのんびりとした雰囲気です。
またまともなようで変人な主人公幸子を初め、神様たちも癖物ぞろい。その上、神様の伝承・起源ネタなどが入ってくるので読んでいて飽きません。
また個人的に大好きなケモノキャラも、

画像の猫女神様に鼠のなにかのようなまんまケモノなものから、人の言葉を解する動物神にけもみみしっぽ標準装備のスーツを着た男神、学校全員けもみみ化と手を変え品を変え登場してくれました。
他にも

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ミニ女体化ネタや男の娘疑惑が出た女の子など、神様ならではの性倒錯ネタがあったのも嬉しかったです。
雰囲気は一巻と変わらず、内容はそれ以上に面白くなっているので、1巻が好きな方にもおすすめです。
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