ユリア100式（全12巻）/萩尾ノブト（原作：原田重光）

ユリア100式 1 (ジェッツコミックス) (2006/08/29) 萩尾 ノブト原田 重光 商品詳細を見る

ユリア100式/萩尾ノブト（原作：原田重光）/全12巻/ヤングアニマル連載/アンドロイド/ふたなり(男体化)

20XX年、秋葉歩博士は全男性の夢であるダッチワイフ「ユリア100式」を完成させた。
早速、博士はユリアと性交しようとするが、何とユリアは博士の元から逃げ出してしまう。
そして、ユリアは大学生・久保瞬介に拾われた事を機に、彼と同棲する事になるのだが…。

ダッチワイフユリア100式(通称ユリア)と彼女を拾った大学生・瞬介の破廉恥エロコメディ。
SEXのために作られたユリアは行動の基本が性行為なのですが、彼女持ちの超健全青年に尽く空回り。
エロネタは過剰なほどありますが、それ以上に頭が悪いバカ漫画なので、内容の割に気軽に楽しめる作品です。
ユリアのエロ攻撃→瞬介がプロレス技で撃退がお約束になっていて、隙間ページには覆面レスラーの技解説が入ります。
エロ直結の思考回路ですが、「恋人」ではなく、あくまで「ダッチワイフ」として瞬介の傍にいようとするユリアは健気で可愛いです(行動自体はギリギリですが)。
瞬介の恋人もレギュラーで登場するため、ちょこちょこ修羅場になりかけるのですが、そこもある意味ピュアな性格で
カバー。三角関係なのに明るいノリが良かったです。

また物語途中から他のセクサロイドも登場します。全員「セクサロイド」ではあるものの、コンセプトの違いから性格・容姿が違うのが面白いです。
ユリア105式(ジュリア)：ユリア以上に高性能のセクサロイド。容姿は黒髪ロングヘアの長身クール美女で、セクサロイド中一番の常識人。
高性能ではあるものの、パートナー(？)が男子高校生のため実戦経験は無し(ユリアシリーズは18歳以上が対象)。
ユリア108式(ユリン)：育成型セクサロイド。そのため容姿・性格ともに少女として設定されている。
子供っぽい言動が多いものの、セクサロイドなので当然知識は多め。たぶん作中一番の腹黒。
ルーシーMarkII(ルーシー)：アメリカで作られた汎用人型プレイドール。アメリカ製なのでいろんな意味で欧米向け。
ルーシーMark3.5(ルーイ)：女性用の上半身に男性用の下半身をくっつけたふたなりセクサロイド。
本人の意識は完全に女の子なものの、周囲からは男性orニューハーフとして扱われている。
実際は違うのですが、ルーイの行動や思考が男体化してしまった女の子っぽくて面白かったです。

メインのエロギャグももちろん面白いのですが、頻繁に入る機能解説や、セクサロイドの女の子たちの制作方針にのっとった行動・思考など、アンドロイド漫画としても面白い作品だと思いました。
一応話は繋がっていますがどこから読んでも楽しめる作品なので、アンドロイドが好きな方は一度読んでみてください。