野に咲く薔薇のように(2)/ひな。 感想
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2010/02/16 23:50:21
2010/02/16 23:50:21
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小っちゃな女の子になった女子大生・のばらとのばらに女装した音楽専門学生・一馬。
そんな二人が奏でる少し不思議で切ないラブストーリー。(帯より)
1巻を読んでてっきり長めの作品なるのかと思ったのですが、すっきり2巻で完結しました。
登場人物が少ないとは言え、モノローグを使わずに女の子達の汚く歪んだ心の底を描いているのは秀逸。
1巻ではただ「わがままな子」としか思えなかったのばらが、本当ののばらが見えてくるうちに魅力的な女の子に変わっていきます。
ふんわりした萌え系の絵柄に反し、女の子の思考が良くも悪くもリアル寄りなので苦手な方も多そうですが、三角関係を通しての女の子の友情の描かれ方は、痛々しく切なかったです。
それからこれは個人的な思い入れもあるのですが、一馬が美少女ゲームのBGMをのばらと聴く場面が印象的でした。
美少女ゲームのBGMは、ゲーム中心の方にしてもテキストを読ませる美少女ゲームで、雰囲気を盛り上げてくれる魅力的な曲ばかりです。
また、KOTOKOや島みやえい子所属のI've、水樹奈々の曲を多く手がけているElements Gardenなどアニメの主題歌を作られている方の作品も多くあります。
ですが『美少女ゲーム』という性質からか漫画で描かれることは少ないので、この漫画で女の子と一緒に聴くという場面があったのは、新鮮で嬉しかったです。
ただ女装漫画としてはどうでしょうか。
一馬は表紙左の女の子。元々女顔なので、三つ編み付のかつらを付けるとどこから見てもボーイッシュな女の子。
今回はのばらの命令で花柄ワンピースまで着せられて、女の子っぽく可愛らしい姿まで披露してくれます。
してくれるのですが、その量はとても少ないです。一回目は10ページほどですが、自室のみでしかも内容は回想中心と、女装ものとしての面白さはなし。
二回目は最終話ですが、こちらもやはり10ページしかありません。
「女装」自体の必要性もちゃんとあり、女装漫画と言えるとは思うのですが、可愛い男の子の女装ものと思って読むにはあまりお勧めできません。
一巻のいろんなものを抱えた女の子達の描写が気に入った方、少しでも女装があればいいという方、絵がとにかく好みだという方、それから素直になれない優しい女の子が好きな方にお勧めです。
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