逆転ハニー(1)/時計野はり 感想
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2009/11/08 00:37:10
2009/11/08 00:37:10
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健吾は学校裏でいじめられていた亀を助ける。
その亀(亀神様)が喋ったことに驚き蹴り飛ばしため、罰として幼なじみの蜜香と体を入れ替えられてしまい!?
見た目も性格も真逆の2人が逆転すると、何故か異性に大人気で・・・!?
他、読切2編も同時収録。(裏表紙あらすじより)
亀を助けたら呪いで入れ替えられるという不条理学園乱闘コメディ。
入れ替わるのは目つきも口も足癖も悪い一匹狼・夜神健吾と、その幼なじみで笑顔がかわいいのんびり屋の昼岡蜜香。入れ替わりものですが、視点は健吾で固定です。
この作品を読んで、孤高の狼少年が女の子になると可愛くなるというのをはじめて知りました。
スカートなんて全く気にせず、机に足を乗せたり、男に蹴りを食らわせ踏みつけたり。構図も妙にローアングルが多く、なぜ見えないのか不思議なほど。
一方、自分に見えてしまう着替えだと恥ずかしがって拒絶ばかり。結果、第一話では蜜香(体は健吾)に着替えさせられ、二話では目をつぶってブラジャー装着と余計に恥ずかしいことになってしまいます。そのくせ、つい蜜香の入浴や着替えを想像してしまうのも可愛いです。
淡泊で性的な雰囲気もない絵柄ですが、それがかえってピュアで初心な主人公を演出している気がしました。
もう1人の主人公・蜜香の方はというと、こちらは全く動じず普段通りに笑顔が素敵な女の子のままです。
もちろん体は男なのですが、優しく暖かい笑顔で男も女も魅了しています。健吾らしくしようという心遣いは一切ありません(笑)
腹を立てたり暴れたりと忙しい健吾とは真逆でしたが、いつも穏やかでふわふわしている彼女もとても魅力的でした。
方向は違いますが天然の善人2人の会話は楽しく、なんだかんだでお互いのことが大切というのにも癒されました。
1巻だとまだ気持ちがわからないままなのも、2人のピュアさが伝わってきてよかったです。
ストーリーはこの2人がメインになりますが、他にもいろいろとおかしい人物が登場します。
まず1人目は、事態を引き起こした張本人「亀神様」。
落書きされた亀に人間の頭というかなり気持ちが悪い外見。しかも偉そうなくせに力は非力で臆病とダメダメな神様です。
そしてTS作品お約束ともいえる女になった主人公に惚れるイケメン・習志野が毎回2人にちょっかいを出してきます。
「女の子にはじめて邪険にされた」というアホな理由で惚れる変態なのですが、その後健吾に倒された不良たちが全員惚れてしまうことを考えると、この学校ではマゾが主流なのかもしれません。
三話では蜜香の親友の武士少女が登場。無表情・クール・蜜香一番で、今後のキーキャラクターになりそうな女の子でした。
主人公2人はとてもいい子で可愛らしく、読んでいて楽しい作品でした。基本的に蜜香になった健吾で話が進むので、男体化ものとしては弱いかもしれませんが、入れ替わったことで相手のことを強く思うようになるなどの入れ替わりならではの展開もあります。
少女漫画なのでサービスシーンはほとんどありませんが、何もしていないのになんだかいやらしいというさじ加減も絶妙でした。
作者さんも「中身が男の子と思えばセクハラもしやすい」というステキコメントを書かれていたので、ここはぜひ2巻にも期待したいと思います。
同時収録
「キラキラ星の穴」(40ページ)
天使と悪魔のお迎えで、亡くなった母親に会いに行く女の子の話。
妙に此岸じみた天国と会話ですが、切なく綺麗な作品でした。
「キミはボクのサボテン」(16ページ)
とげとげしたサボテンみたいな女の子に恋をした少年・圭太の恋愛奮闘記。
おまけ「キラキラサボテンハニー」(4ぺージ)
キャラ総出演おまけ漫画。亀神様の力で圭太とサボテン少女が入れ替わります。
該当は2ページですが、しっかりパンツまで確認してくれました。
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