かみあり(1)/染屋カイコ 感想
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2009/08/13 01:33:12
2009/08/13 01:33:12
![]() | かみあり 1 (IDコミックス REXコミックス) (2009/08/09) 染屋 カイコ 商品詳細を見る |
時は十月…世間的には神無月。でもでもここは神在月。
神様いっぱい島根は出雲に さあさ、みなさま おいでませ!(カバー裏より)
感想:かみあり――それは神在のこと。
『天下もろもろの神 出雲国にゆきて 異国に神なきが故にかみなし月というのをあやまれり』
八百万の神々が集まる十月の出雲を舞台に、大阪から越してきた千林幸子と、口はきついけど世話焼の岡屋絵美、そして国も宗教も飛び越えた神様たちの物語です。
この話には、たくさんの神様が出てきます。
まずは日本の神々が多数登場。四神の白虎、七福神の弁天様、沖縄の火の神ヒヌカン、さらには大阪通天閣に祀られるビリケン様のような地方神、人物神の安倍晴明。そして、日本以外の神々様。
神様=人の思いや願いから生まれる=思いが強ければ誰でもアリ!!ということで、この話では、ゲームやライトノベルをベースにした、天使ガブリエルに火蜥蜴の精霊までも登場してきます。
設定だけなら滅茶苦茶にも思えるのですが、日本だけで神様が増え続ける理由を、事実(日本の宗教信者数など)を混じえながら描かれているので、納得しながら読むことができました。また、外国から来たキャラクターを使って、日本と他国の宗教観の差異を際立たせているのも興味深かったです。確かに神様とかに厳しい国の人には、特定の神様が活躍するゲームを広めのは洗脳に感じられるかもしれません。
先にあげた神様以外にも、背景などには様々な神様が描かれています。また、他の作品では妖怪とされることもある座敷童子はこの作品では神様として扱われていました。神様以外に、五行思想についても多少触れられています。
神様漫画としても面白いのですが、コメディ漫画としてもとても楽しいです。
関西弁で天然な幸子と苦労人の絵美の掛け合いは、微妙にずれていてほのぼの笑えますし、神様たちも癖が強くて可愛らしく、しかも神話などに則った性格付けになっています(弁天様が片っぱしからカップルを別れさせていくなど)。ちなみに絵美以外にも、ビリケンさん(大阪)、白虎(京都)が関西弁です。その為、島根が舞台なのに関西ローカルネタもちょろちょろ入っています。
人々の強い思いや願いやオタクの妄想によって日々新しく生まれる神様を把握する為に、出雲の管理担当の神様たちは、ギャルゲーをやったり、ラノベを読んだりして働いているというのは、馬鹿馬鹿しくて良かったです。
獣人:レギュラーキャラに火蜥蜴の青年、脇にその妹がいます。精霊ですが、外見は蜥蜴の肌を持つ蜥蜴型獣人です。また、安倍晴明の母「葛葉(クズノハ)」も狐少女の姿で一コマだけ登場しました。葛葉の方は、再登場するかは不明です。
TSF:第4話(30ページ)が悪魔(見た目はうさんくさい紳士)が、絵美(苦労人眼鏡少女)に変身して可憐な淑女を演じたり、チャイナ服やスク水でコスプレして、クラス巻き込んで大騒ぎという内容でした。
「かわいい女の子になるのもなかなか楽しいし」
と、楽しく変身していたのが面白かったです。この悪魔は4話以降もずっと登場していますが、1巻収録分では、変身したのはこの回のみでした。
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