あやかし天然ビーンズ/みなみ佐智 感想
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2009/07/07 17:30:00
2009/07/07 17:30:00

あやかし天然ビーンズ/みなみ佐智/全1巻/花とゆめ、ザ・花とゆめ 掲載/妖怪/けもみみ/TSF(女体化・変身)
ミヤ・アマツ・ゼンの3人は、仲良しの幼なじみ。ミヤはクールな男子高校生の東條君に一目惚れ。彼を追いかける毎日だが、ミヤを好きなアマツはミヤの恋路を邪魔してばかり!しかもこの3人にはある重大な秘密が!?愛と友情の"もののけ"コメディ新登場。(裏表紙粗筋より)
化け猫のミヤ、天狗のアマツ、妖狐のゼン。それに普通の高校生の東條君で繰り広げられる、妖怪ラブコメディ。
妖怪に「純性」と「成り上がり」がいるという独自の設定は、ちょっと引っかかりましたが、かまいたちや雪女、台詞なしの背景ですが、ろくろ首に河童に子泣き爺なども描かれていて、読む前に想像していたよりも妖怪漫画らしくて良かったです。
表紙だと可愛い猫耳少女のミヤですが、力を使うときには、口は裂けて牙も生え、眼光鋭い化け猫で、「人間ではなく恐ろしい妖怪である」ということを感じさせ、「妖怪」と「人間」の恋の難しさにも説得力がありました。
「私が人間だったらこんなに難しくないのに」
台詞の端々からも、妖怪であるということで苦しんでいるのが伝わります。
限られた一年という期間の中で、空回りしながらも、必死に恋心を伝えようとするミヤは、その怖ろしい正体が分かっていても可愛くて健気です。
また一見お調子者で偉そうでミヤを馬鹿にしているアマツも、ミヤへの恋心とミヤに笑顔でいて欲しいという気持ちに苦しんでいます。二人の邪魔をしたいのに、ミヤを悲しませたくなくてどうしていいか分からなくなる。
純粋な二人の恋心は、どちらが先に通じるのか。期限が切れたとき、ミヤの隣にいるのはだれ?!
・・・・・・・といったところで終了です。期限2月残ってるよ!!??
収録されている3話はどれも面白いです。アマツもミヤも一生懸命で可愛いし、ゼンや東條君もいい味を出しています。が、最終的に結論が出ないまま終了というのはどうなんでしょうか。
読みきり連作なので、もしかしたら続きがいつか出るかもしれませんが、これ一冊で終わりとすると非常に中途半端。どの話もいいんですが、一つの作品として見ると微妙なところ。
妖怪ラブコメが好きで、中途半端に終わっていても気にならない人、後は作者のファンなら読んでもいいのではないかと。
TSF要素としては、妖狐の少年・ゼンが、毎回ミヤのフォローのため、ミヤに変身しています。また第1話では、綺麗な女の子にも化けていました。ただ残念なことに、どれも1ページくらいしか出番がないので、女体化目当てに読むのも、やっぱりお勧めできません。
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