ここにいる睡蓮―森山大輔短編集/森山大輔 感想
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2009/07/05 11:27:04
2009/07/05 11:27:04
![]() | ここにいる睡蓮―森山大輔短編集 (ドラゴンコミックス) (2002/08) 森山 大輔 商品詳細を見る |
掲載作品
「ここにいる睡蓮」 妹・恵(ケイ)を守るため、死んだ兄・恵(めぐむ)は、死界の案内人・睡蓮の体を借りて現世に戻ってきた。32ページ
「ありす イン サイバーランド」 仮想空間サイバーランドが発達した近未来。サイバーランドをウイルスから守るため少女達が立ち上がる。34ページ
「マザーズガーディアン」 遺跡から復活した生体兵器スサノオと、偶然彼の母代わりになってしまった少女日和(ひより)の物語。 64ページ
感想
表題作である「ここにいる睡蓮」が、主人公めぐむが人外の制服少女・睡蓮に憑依するTS作品になっています。
睡蓮の手違いで死んでしまっためぐむは、妹を迫る死から守るため、睡蓮の体を借りて1ヶ月間女子高生として学校に戻ることになります。
憑依中は睡蓮の魂は幽世(かくりよ)から、めぐむを見たり指示を出したりすることができますが、体を動かすのはめぐむの意思。憑依された側が、遠方から指示を出すというのは珍しくて面白かったです。
自分が死んで落ち込んでいる妹に正体を明かすこともできず、友達として懸命に妹を守ろうとするめぐむ(体は睡蓮)の表情は優しかったり、必死だったり、どれもとても魅力的です。
死んだ少年と妹をメインにした、切なく綺麗な話ですが、時折コミカルなシーンも混ざり、2ページだけですが、女の子の体になっためぐむが、鏡で胸を確認したり更衣室で浮かれる場面もありました。
その他の作品の感想
「ありす イン サイバーランド」
プレイステーションのゲーム、「ありす イン サイバーランド」のコミカライズです。とはいえ内容はかなり変更されている模様。特殊な世界観のゲームのようですが、ゲームを知らなくても読むことができました。少女たちvsウイルスのアクションシーンが多く描写されています。
「マザーズガーディアン」
インプリンティングや定められたことに絶対従うなどの特性を持つ、古代の生体兵器(サイボーグ)・スサノオが登場します。古代の技術で作られているので、機械的な要素はなく、超人的な力を持った人間という感じです。終盤に、女性型のサイボーグも登場。
記憶をなくし、生まれたばかりの子どものような生体兵器・スサノオと、スサノオを水鏡で操る少女・日和。一見戦闘中心の作品のように見えますが、この話の主題は家族愛だと思います。
母親の命日も忘れて仕事に没頭する父親に憤りを感じていた日和。たまたま父の研究所から、水鏡を持って来てしまったために、母親として認識されてしまいます。初めは戸惑いますが、幼い子どものように懐いてくるスサノオを見て、自分が親代わりになろうと決意します。
日和の年齢は出ていないのですが、12歳くらいでしょうか。スサノオは10歳くらいで、傍から見るとあまり変わりません。それでもご飯を食べさせたり、泣き出したスサノオを、一生懸命にあやしたり。子どもなので何でもできるわけではありませんが、それでもお母さんでいようと頑張ります。
本当の親子でありながら不仲な父と日和、そして水鏡という道具で作られた親子である日和とスサノオが対照的に描かれていました。
ちなみに、マザーズガーディアンの「アイテムを通じてつながっている、超常的な少年と、それを使役する少女」という設定は、同作者の「クロノクルセイド」という漫画に引き継がれています。
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この記事へのコメント
先を越されました
読むつもりが忘れてました(笑)
やはり面白そうです
近日中に読もう。
読むつもりが忘れてました(笑)
やはり面白そうです
近日中に読もう。
> runa.love 様
先越しました(笑)
この作者さんは絵が綺麗で好きなのです。
個人的には「マザーズガーディアン」がお気に入り。
先越しました(笑)
この作者さんは絵が綺麗で好きなのです。
個人的には「マザーズガーディアン」がお気に入り。
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