HEAVEN’S WILL(全1巻)/高宮智 感想
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2011/05/20 21:23:22
2011/05/20 21:23:22
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お化けや幽霊などの“鬼”と呼ばれる不思議なモノが視える美葛(みくず)。ある日、鬼に追われていた美葛は2人の少年に出会う。
怖がりな美葛を鬼から守ってくれる、お祓い師の世登(せと)。そして、世登に飼われている吸血鬼の篝(かがり)。
美葛は鬼が視える能力を買われ、2人と一緒にお祓いの仕事をすることになり…!?
幽霊や生霊などの「鬼」を見る少女・美葛と、鬼を祓うゴスロリ女装少年・世登、そして世登に飼われている吸血鬼・篝の幽霊ストーリー。
収録されているのは出会い編「いつか君に還る楽園(そら)」と呪われたピアノの謎を追う短期連載「HEAVEN`S WILL」。
前向きな美葛とコミカルな世登のお陰で明るい会話が多いのですが、死後も存在する「鬼」、世登の女装と篝が仕える理由などシリアスなテーマが多い作品でした。
物語はお化け嫌いで男性恐怖症の主人公・美葛が、逃げ込んだ屋敷で世登と篝に出会うことから始まります。

可愛いからと言ってゴスロリ女装をし、金をためるために鬼を倒す世登。
美少女・傲慢・祓い屋とかなりキャラですが、ケーキ大好きだったり今ひとつずるくなれなかったりと、妙に可愛らしい女装っ娘です。
また「HEAVEN`S WILL」では、可愛いだけではなく、酷くアンバランスで危うい姿も描かれていました。
ちなみに女装度は100%。最初から最後まで女装をしています。
主人公の美葛は、男怖い、お化け怖いと泣きじゃくる気弱な女の子。しかしいざという時には、お化けに蹴りを入れて撃退するようなアグレッシブさもありました。
また初めは守られてばかりでしたが、苦しむ世登を助けようと動いたりと、次第に強い面も見せてくれます。
弱さが見えてくる世登と成長していく美葛、2人の関係は絶妙。男女よりも百合に近い雰囲気が良かったです。
もう一人の登場人物・篝は、世登に飼われている吸血鬼の青年。

なのですが、無口・無表情で世登に異常なまでに従順、しかもやたらと狼に変身して走り回っているので、どちらかというと狼男的なイメージが強かったです。
1巻完結と短いのですが、登場人物3人がそれぞれ魅力的でした。
話も切なく、とても綺麗に終わっているのも良かったです。
なお、同じ高宮智さんの「かんちがい姫と嘘つき僕(全1巻)」も、男の娘と主人公の百合風味な作品になります。
内容は誘拐回避の為に女子高に通って生徒会長までしている女装少年と、主人公である高飛車ちびっ子お嬢様が寮で同じ部屋になってしまうという話です。
「HEAVEN’S WILL」のゴスロリ女装と異なる黒髪清楚なキャラクターですが、こちらもかなりの美人です。
シリアスはなく人形のように綺麗なアホの子主人公と、温和な笑顔の腹黒ストーカーのやりとりが面白いラブ※でした。
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