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いきなり☆ねこキック(1)/むつきつとむ 感想 

いきなり☆ねこキック (1) (まんがタイムKRコミックス フォワードシリーズ)いきなり☆ねこキック (1) (まんがタイムKRコミックス フォワードシリーズ)
(2009/04/11)
むつき つとむ
いきなり☆ねこキック(1)/むつきつとむ/まんがタイムきららフォワード連載中/獣人/けもみみ

粗筋:朝起きたらネコミミ少女が目の前に!!+みんなを巻き込みドタバタ・・・そこまではよかったけどおかげで姉(由羽)と弟(優)の間はビミョーな関係に!?(帯表より)

感想:優(まさる)が拾った迷子のこねこ(茶色いのでちゃろ)が、次の日けもみみ(猫)付き少女(5歳くらい?)に変身します。尻尾がないのがちょっと残念ですが、尻尾がなくなってバランスとれなくなってしまう場面は可愛かったです。
人の姿になっても喋るのはネコの言葉だけで、みゃあとかみゅうで話したり喉を鳴らしたりで気持ちを伝えます。言葉は通じませんが、優がいなくなるとみいみい泣いたり、追っかけて行ったりして体いっぱいで大好きと教えてくれます。あと、表情がくるくる変わったり、耳がぴこぴこ動くのも可愛い。
そんなネコミミ少女を、常識派の姉以外、家族も周囲もあっさり受け入れています。ちゃろの周りは、ドタバタほのぼので楽しいです。

一方姉と弟の関係は、ドタバタからほど遠いです。かわいいちゃろやほのぼの学園生活なども出てきますが、主題は姉と弟の関係の変化について描くことのように感じました。
突然優にネコミミとは言え女の子がくっつきまわるようになり、さらにちゃろが原因で優を好きな料理上手女の子まで現れて、姉の由羽はあまり面白くありません。
それで優にとげとげした言い方をしてしまったりするのですが、結局ちゃろの世話をしたり、優のために料理をがんばってみたりするところが可愛いです。髪をおろしているのもかわいい。
姉と弟の恋愛というと、その葛藤の描かれ方が重要だと思うのですが、個人的には大満足です。姉は姉弟であるために、好意をしっかりものの姉の仮面で押し隠し、一見ぼーっとして頼りなさげに見える弟の方も、さりげなく姉を気遣う姿が見られます。
姉弟の今後とちゃろの活躍が楽しみです。

追記はネタバレ感想になります。
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世界の果てで愛ましょう(1)/武田すん 感想 

世界の果てで愛ましょう 1 (1) (電撃コミックス)世界の果てで愛ましょう 1 (1) (電撃コミックス)
(2009/05/27)
武田 すん
世界の果てで愛ましょう(1)/武田すん/電撃マ王/TSF(女体化)

気弱な男子高校生・矢野涼馬は、その性格のおかげでクラスの面倒なことを全部押し付けられていた。そんなある日、異世界の王子エミリオとの日常が崩壊!なんと涼馬は異世界の薬で女の子に変えられてしまったのだった!!人種や性別を超えた究極の愛の物語ここに完成!!(裏表紙粗筋より)

薬で性転換させられちゃった男の子の話です。顔立ちや身長には変化はなく、体系のみ変化しています。ところで口絵に男しかいないんですが、電撃マ王はいつの間に少女まんがに?

絵柄がやわらかそうで可愛くて好み。涼馬がふにふにしてて突きたくなります。TSもののお約束として第1話で鏡の前で自分の全裸姿を確認、2話でスカートめくってみるというのがありますが、後は自分で何かすることはないです。初着替えやお風呂でドキドキなシーンもなし。
真面目なので積極的にお色気攻撃したりもしませんが、その代わり、無防備にYシャツだけでうろうろしたり、洗濯カゴに下着放置したりしています。そのたんびに変態行動しちゃって自己嫌悪で落ち込んだり、泣いて逃げたりする弟が憐れです。

涼馬の設定を除けば、とっても少女まんがです。地味で気弱だけどとてもいい子の主人公が、助けた異世界の王子さまに求婚される。で、王子様は学校に転校してきてもてもてだけど、主人公のことしか見えていない。一方で格好いい弟も、実はずっと昔から主人公のことを想ってて・・・本当に少女まんがだ(笑)
涼馬は貧乏くじを引きがちな気弱な子ですが、誰かが悪いことをしそうになったらちゃんと止めることができます。また弟の母代りに小さい頃から頑張っています。赤面症でよく泣いたりもしますが、それでも土砂崩れの中見知らぬ相手を助ける勇気があります。兄弟にすら命を狙われひねくれた王子や、秀才でイケメンの弟が好きになるのにも納得ができました。
王子と弟はどちらも涼馬が大好きなのですが、花を買ってきたり悪漢から助けたりクールなのに涼馬にだけ赤面したりと二枚目っぽくふるまう王子に対して、弟の方は理性飛びかけたり告白したり(でも滑る)パンツ盗んだりしています。
王子や周りには女の子扱いされていますが、涼馬の中身はちゃんと男のままなので安心です。変態弟相手に、お兄ちゃんでいようとするのが可愛い。

TS目当てで買ったのですが、内容も絵も良かったです。好きな漫画家さんが増えました。

関連記事
世界の果てで愛ましょう(2)/武田すん 感想
世界の果てで愛ましょう(3)/武田すん 感想
世界の果てで愛ましょう(4)/武田すん 感想
世界の果てで愛ましょう(5)/武田すん 感想

ワイルド★キングダム(1)~(2)/真鍋譲治 感想 

ワイルド★キングダム (2) (ブロスコミックス)ワイルド★キングダム (2) (ブロスコミックス)
(2001/07)
真鍋 譲治/全5巻/ファミ通Bros連載
獣人?/擬人化?/けもみみ


粗筋:たてがみを持たない落ちこぼれライオンレオンは、奇妙な手紙に誘われて、仲間たちと一緒に動物たちの国の王都を目指す!!

感想:一巻には獣人しか出てこないという、獣人ファンには嬉しい設定。耳だったり角だったりとしっぽがついています。出てくる獣人はライオンをはじめ、ヒョウ、インパラ、ジャコウネズミ、ゾウ、ハイイログマなど多数。

落ちこぼれ草食ライオンレオンが、ヒョウやインパラの女の子と一緒にアフリカの大地・動物たちの王都を走り回る冒険物語!!なのですが、全体的に突っ込みどころが多すぎます。

この世界では動物は人型です。そして洋服を着ていて、食事ではお皿を使って食べたりします。電気などもあるようです。一巻でこのような表現がなされているので、てっきり獣人ものだと思いました。
が、二巻で出てくる人間には、彼らが動物の姿に見えていました。つまり『綿の国星』のように、実際は動物だけど、動物同士のかかわりを表現する上で人間の姿をとっているようなのです。でも、そうするとはじめに出てきたお皿とか、電気は何???とか、城やら椅子やらはどうやって作ったの???という疑問が残ります。
主人公であるライオンは落ちこぼれでたてがみがありません。イラスト的には、雄ライオンの中で唯一短髪ということで表現しています。が、雌ライオンも長髪なのであまり意味がありません。
また、サイズはライオンもネズミもあまり変わらず、大きめの人間と小柄な人間程度の差なのですが、なぜだかゾウだけ大岩のように大きかったです。確かにゾウは大きいですが、ライオンとゾウの比よりも、ライオンとジャコウネズミの比の方が大きい気が。
2巻では人間の飛行機に乗り込む描写がありますが、2人乗りの小型飛行機にライオン・ヒョウ・インパラ・ハイイログマなどが乗り込みます。普通落ちます。
そして最大の欠点。耳と尻尾の形が動物のものと一致しません。アニマルファンタジーなのに、ジャコウネズミがロップイヤーみたいな大きなたれ耳だったり(実際は普通のネズミと同じ耳)、果てはハイイログマがオオカミの耳に尻尾だったのには驚きました。
ちなみに人間視点での動物の絵はというと、ごく普通の動物の姿をしています。クマは丸っこい耳に小さい尻尾です。なのに人型になると三角の耳に大きな尻尾・・・よくわからなかったです。

2巻以降は、動物の帝国に人間が絡んで陰謀渦巻く中に、主人公たちが巻き込まれるというものになるらしいです。

関連記事:くろぼね(1巻打ち切り)/真鍋譲治 感想

放課後保健室/水城せとな 感想 

放課後保健室 (1) (プリンセスコミックス)放課後保健室 (1) (プリンセスコミックス)
(2004/12/22)
水城 せとな

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放課後保健室:水城せとな
全10巻。プリンセス連載。
両性具有/TSF?/BL?/百合

粗筋
高校生・一条真白はある日突然、謎の地下保健室に呼び出され、
「特別授業」に参加させられるのだが…!? 思春期ダーク・ファンタジー。

感想
主人公である真白が上半身は男性下半身は女性という両性具有者ですが、特別授業の中で女性になったり、男性になったりします。


この話は現実の生活と放課後の保健室での特別授業という、二つの側面から登場人物を描いています。
現実での生活では、真白は優しく女の子に人気の男の子。ヒロインの紅葉はふわふわ可愛いけど、ちょっときつめの女の子。女の子としての真白を好きになった蒼は、カッコいいけどクールで意地悪な男の子というキャラクターです。
他にも複数のキャラクターが登場しますが、彼らもまた恋をしたり、悩みを抱えたりしながらも高校生活を送っています。
そんなごく普通の高校生として過ごそうとしている彼らの闇を、いやらしいほどに暴き立てるのが保健室での『特別授業』です。

授業は毎週木曜日の放課後に行われます。保険医に呼ばれた生徒は、保健室で眠りにつき、「夢」の中で鍵を探すことになりますが、この夢の中では普通の高校生でいることができません。
例えば現実世界では両性であることを隠し男として過ごしている真白は、夢の中では女子の制服を着ています。
雨の日に強姦された記憶を抱える少女は夢の中では雨合羽を着た女の子になり、現実の世界で自分がいないと感じている少女は顔に穴が開いている。
夢の世界は、誰もが知りたくない・考えたくない自分の本当の姿を、肥大化させて突きつけてきます。
また、夢の中で生徒は3つの玉が付いた首飾りを身に付けているのですが、その玉は恐怖やショックで心がダメージを受けると割れます。玉が割れることで彼らの傷を他者にまでも晒し上げます。

『誰かの体の中』に鍵が隠されるということにも、強烈な悪意が感じられます。それはです。この授業は、鍵を見つけるか、失格になるしか抜け出す術はありません。だからこの悪夢から抜け出したいなら、他の生徒の体を引き裂いて捜すことになるのです。
しかも鍵は一回の授業で一つしかないため、見つかった後も残った者遠しで奪い合うことになります。
夢の中でも痛みや恐怖は感じます。お互いにそれを与え合い、与えられ合いながら、現実の世界では誰ともわからない夢の相手に怯えながら、友情を演じます。そして夢の中の授業は、人間関係という現実までも侵食していきます。

ダークファンタジーという煽り通り、残酷で不条理な世界観ではありますが、一方で突きつけられた闇を乗り越える成長を描いた作品でもあります。特に私は、男としての真白の相手役でもあり話全体のヒロインである紅葉の成長がすばらしいと感じました。おそらく作品中でもっとも変わったのではないかと思います。
またこの残酷な舞台の中だから、まっすぐに相手を思う心を持ち続ける強さも感じられます。紅葉に片思いしながらもずっと携帯で紅葉から恋の相談を受けていた少年の夢の中の姿には涙が出ました。
夢の中の相手が現実では誰なのかを考えるミステリー的側面もあります。まったく読めない展開ではありますが、後でそれとわかる伏線の張り方も素晴らしいです。主人公が両性であり、男女両方に異性として見られる心理もよく描かれていたと思います。
主人公の性格とラストがあまり好みでなかったのは残念でしたが、文句なしに面白い怪作だと思います。

XAZSA(ザザ)/田村純子 漫画・CD感想 

XAZSA〈ver.1〉 (コバルト文庫)XAZSA〈ver.1〉 (コバルト文庫)
(1992/06)
若木 未生

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画像は原作小説。イラストの人が漫画も描いています。
XAZSA(ザザ):田村純子/原作 若木未生
全3巻。LaLaDX/メロディー連載。
アンドロイド

粗筋
夜の銀座の街角で、休業中のギタリスト早水京平が偶然出会った少年・ザザ。不思議な魅力を持つ彼は、天才少女浅見優亜によって作られた国家機密級の機械人間だった。ひとつの大きな夢のため人間になろうと優亜の保護下を飛び出したザザは、必然的に京平を事件にまきこみ、現在は早水家に居候中である。様々な人々の中で日々、人間らしさ体得に励むザザだが―。シティサイバーファンタジー。 (「BOOK」データベースより)

感想
原作の若木未生は『ハイスクール・オーラバスター』、『イズミ幻戦記』などの少女向けライトノベルを書いていた若木未生。漫画版の田村純子は現在コミックHigh!で『ハナノメタモ』を連載しています。表紙は男性しか出てませんが、少年誌に行くだけあって女の子も可愛いです。

2巻第1話までは、京平を始めザザを取り巻く人間視点の読みきりシリーズ。第2話以降および3巻は「良心システム」を与えられず暴走したアンドロイドシグマが登場する長編ストーリーになります。
出てくるアンドロイドは、人間になりたくて優亜の元を飛び出したザザ、優亜に忠実につき従うゼロ、「良心システム」を持たず経験による知識・感情の乏しいシグマの3体のです。
「良心システム」とは優亜の父浅見博士によって作られたシステムで、「良心」「倫理」といった価値観を「優亜」の価値観を基準とするというものです。また優亜の命令に従うプログラム、さらにそれが優亜に悪影響を与えると判断した場合、その命令に反することもできる「判断力」も与えられています。これによりアンドロイドであるザザとシグマは、自然に人間的な行動をとることができるようになっています。

「あなたが好きです。 だから僕は、優亜と同じ人間になろうと思って」
サイバーファンタジーというだけあって、これに登場するアンドロイドは非常に人間に近く、笑うことも、食事をすることも、人の命令に逆らうこともできます。行動・外観での人との違いはありません。
なら、どこが人間とは違うのか。
制作者である優亜はザザの夢をかなえるために人造心臓や変性細胞組織での肉体を作り、人間に近づけようとしました。またザザは人の行動を真似、人を見ることで人間に近づこうとしました。でも、体が人間に近と同じだから、人間そっくりに動けるからといって、人間と言えるのか。ずいぶん前の作品なのですが、印象的な台詞の多い大切な作品です。

物語の核は、人間になりたいアンドロイドと暮らすうちに、最愛の妻を亡くして人間でいることすらめんどうになってしまったギタリストが、次第に人間になりはじめるというものです。大筋は割とシリアスなのですが、デフォルメされた描き方や楽しい掛け合いも楽しめます。
本作終了後、「人間が見えない」少女とザザの交流を描いた作品がメロディに短期連載されたのですが、そちらは単行本には掲載されていません。

この作品はイメージアルバムとして『XAZSA~Your Own Personal Number』が発売されています。XAZSAをイメージして作られた5つの歌の中に作中の台詞を入れるというものなのですが、使用されている歌がいい歌ばかりでした。歌われているのは安田尊行さん、松澤由実さんがそれぞれ1曲ずつ、新居昭乃さんが3曲です。特に「いくらプラスティックのヒフがつめたくても凍らないこのキモチ」という歌詞で始まる『天使たちの行進』という曲は、アンドロイドの恋を新居昭乃さんの透明な声が歌っているという、アンドロイドと人間の恋が好きな自分にはたまらない曲でした。

当ブログでは、秋田書店を応援しています。 

以前ちょろっと書いていた『THE 裁判員』なのですが、TSありだそうです。ひゃっほい。
同じキャラデザの人のゲームでも、なかなかいいTS(こっちは変身)があったので楽しみです。
みのむーのTSFな日記
http://minmu-rx.wablog.com/trackback/?842
こちらはTS作品の情報がはやくて、いつも参考にさせていただいてます。

憑依ものだとやっぱりお気に入りは『あかねちゃんOver Drive/桃栗みかん』なわけですが、『おきつねさまでChu/速野悠二』という漫画も面白いです。
憑依ものだと、女の子の体に男の霊が憑依するというのが多いですが、おキツネさま~は男の子の体に狐少女が憑依して女の子になるというものです。しかも変身した姿は、憑依した狐少女と外見が全く違うという変化球。
これ以外にも、コミックREDは『おかわりナポリタン/井上行広』『BLUE DROP/吉冨昭仁』という変身TSを出していますし、何かと女装ものも出してくれるので毎月気が抜けません。

他にも、以前書いた『ひもろぎ守護神(憑依)/緋采俊樹』も秋田『コンビニん(変身)/六和田ハル』も秋田。あとは落ちだけTSだった某怪人漫画も秋田。少女誌のプリンセスコミックでは、最近まで主人公が無性という『放課後保健室』というものを連載していましたが、現実世界では男として暮らしている主人公が、夢の世界では女の姿をしているという微TSものでした。といってもTS萌は非常に薄かった上、落ちが・・・というものなのですが。挙句手塚治虫の名作の続編で、主人公をTSさせてしまった『どろろ梵/道家大輔』も秋田書店です。探せばもっとあるでしょう。

私は秋田書店(チャンピオン、コミックRED、プリンセスなど)は、女装枠があるんではないかと結構本気で思っています。REDで描いている作家さんのあとがきを見ると、「編集者に女装もの描けと言われた」みたいなことを書いている人もいますし、あながち外れてはいないと思うのですが。
ここは是非ともTS枠も作ってもらって、「ぱにくるイ子さん」の連載延長を希望します。

お嬢様と妖怪執事/藤原ここあ 感想 

表題作の「お嬢様と妖怪執事」をプロトタイプとした連載「妖狐×僕SS」のアニメ化が決定しました。
お嬢様と妖怪執事 ―藤原ここあ短編集― (ガンガンコミックスJOKER)お嬢様と妖怪執事 ―藤原ここあ短編集― (ガンガンコミックスJOKER)
(2009/04/22)
藤原 ここあ

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お嬢様と妖怪執事:藤原ここあ
短編集。ガンガンウィング掲載。
妖怪/人形/ナルシスト

掲載作品
「お嬢様と妖怪執事」体が弱い旧家のお嬢様と、彼女に使える座敷童(大人)のハートフルコメディ
「山田」変態山田が活躍?するギャグ
「ストレイドール」自らも人形を操り、迷える人形(ストレイドール)を救う人形遣いフィズと、元フランス人形の少女フ麗王の旅
「私は」カメラが好きな少女とカメラ屋店主の切なくやさしい物語。

感想
設定やキャラは全く違うもののどれも面白く外れなしの良短編集でした。

「お嬢様と妖怪執事」
お嬢様がかわいいです。作家さんの絵が好き+黒髪ロング萌えなので見た目もヒットだったのですが、性格も体が弱いことで親を心配させないよう、一人で頑張ろうとする健気な女の子です。執事は運気が低下している家を建て直すために具現化した座敷童なのですが、特にそれらしい描写はありません。せいぜい毬を出すくらい。後の方でもう一人座敷童が出てきますが、そちらもいきなり現れたりできる程度です。妖怪度は低いのですが、話は可愛く、少し笑えるところもありました。
この話を連載用にリメイクした『妖狐×僕SS(いぬぼくシークレットサービス)』という話がガンガンJOKERで連載されていますが、そちらは高級マンションの住人がすべて妖怪という作品です。妖狐・雪女・がしゃどくろ・一反木綿などがでてきます。妖怪との混血などの要素も出てくるようですので続きが楽しみです。

「山田」
「BLは女子に受けるなイコールかっこいいと思ったんです!!」by山田
大ゴマで叫ぶなwww
同僚の美人先生に片思いしている冴えない先生を山田が応援するという話なのですが、山田がとても変態です。
絵はとても綺麗で可愛らしい作家さんなのですが、それが山田の気色悪さに拍車をかけています。エロ目してみたり、常にポージングしてたり、黒子使ってたり。
自分カッコイイ!なナル山田の変態ギャグ漫画ですが、時々本当に格好良かったりもします。
あとBL要素もあり(笑)

「ストレイドール」
動くフランス人形が登場しますが、見た目も行動も人間と変わらないので、ローゼンメイデンのような動く人形の活躍を期待すると肩透かしをくらいます。
内容はコメディですが、砂ばかりになった2300年の地球と設定はシリアスです。ラストのページとか結構怖いような気も。

「私は」
コメディ要素は全くありません。高校卒業という別れの時に、「がんばって人付き合いをしてきた」少女の心の揺れを描いています。他の作品は、登場人物の表情がくるくる変わるのですが、この話の主人公は笑うばかりです。そしてふと自分の心を覗いたとき、顔からは表情が滑り落ちます。
主人公のモノローグが多く、淡々とした作品ですが、ラストは暖かくとても優しい気持ちになれる作品です。

女のコで正解!/片山こずえ 感想 

女のコで正解 (マーガレットコミックス)女のコで正解 (マーガレットコミックス)
(1996/07)
片山 こずえ

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女のコで正解!/片山こずえ
全1巻。マーガレット連載。
女装

内容
専門学校生のえみりがアパートの同居人を募集したら、お人形みたいに可愛い有紀ちゃんが立候補してくれたんだけど・・・。
短編3話収録で、表題作が該当。読み切り作品ですが100ページあり、読み応えがあります。

感想
表紙金髪の子が、実は女装の男性(有紀)です。趣味で女装などではなく、心も女の子です。可愛くてペラペラお喋りで、バカっぽいけど実は苦労人。本当にいい子です。

有紀は、はじめは男ということを隠しているのですが、途中でえみりにばれてしまいます。そのときの台詞が切ないです。えみりは彼女を女友達として受け入れるのですが、好きな男の子に、男と同棲と言われてしまい、有紀にきつい言葉をぶつけてしまいます。
どんなに女性らしくしていても、本当の性別は男だから簡単に一緒に暮らそ!にはできない。えみりの行動も、男と同棲してると言った男の子の気持ちも描写され、すんなり受け入れることができました。
登場人物が魅力的で、何より有紀とえみりの友情が良く、読んでよかったと思えました。

この作品は15年近く前のものなのですが、今読んでも新鮮です。残りの2話はラブコメですが、そちらも面白かったです。


MW(ムウ)/手塚治虫 感想 

WikipediaにCategory:女装漫画という項目があるのですが、
http://ja.wikipedia.org/wiki/Category:%E5%A5%B3%E8%A3%85%E6%BC%AB%E7%94%BB
・MW (漫画) 
『MW』て女装漫画だっけ・・・?

とはいえwikiさんも女装漫画だと言っていますし、個人的に大好きな作品でもあるので紹介したいと思います。

MW(ムウ) (1) (小学館文庫)MW(ムウ) (1) (小学館文庫)
(1995/02)
手塚 治虫

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MW:手塚治虫
全2巻(コミック文庫版)。ビッグコミック連載。
女装/BL

粗筋
15年前のある孤島で毒ガス流出事件が起こった。身代金目的で非行少年グループに洞窟に連れ込まれていた結城美知夫少年と、見張りで残っていた賀来巌を除き、その島の生物は全滅した。凄惨な光景を目の当たりにした賀来は神に救いを求め神父となった。しかし幼い体を毒ガス『MW』に犯された美知夫の心からは、良心も道徳心も消えてしまった。美知夫に大切な人間を傷つけられ罪に手を染めながらも彼を止めようとする賀来と、ある目的の為に殺人を繰り返す美知夫のピカレスクストーリー。

感想
結城は男性である賀来と性交を繰り返し、犯罪時に女装して犯行を行う、男娼的行為など、性別というものに関して、とても自由な存在として描かれています。タイトルのMWからして毒ガスの名前であるとともに男性(MAN)と女性(WOMAN)を合わせたものでもあるので、結城が性を超越した存在であると示しているとも考えられます。
実際に女装することは決して多くはありませんが、女装(=性を超えた超人てきな存在になること)が重要なファクターとなっていることは確かです。

内容についてですが、非常に過激な作品です。男性同士の性描写があることは先にも書きましたが、他にも女性同士、レイプ、獣姦、小学生とのセックスなどがあります。犯罪でも9ページ目で幼児が絞殺されるの皮切りに、性行為中に女性を殺害、兄を助けようとした弟が爆殺されバラバラになる、残虐な暴行の上殺害といったことが描かれています。

では、何でこの本が魅力的かというと、刺激があるということはもちろんあるんですが、メッセージ性がとても高い本なんです。結城が狂った背景にある毒ガス流出は、よその国のガス兵器が漏れたためなのですが、それを日本の政治家が隠蔽し、死体も全て埋められてしまいます。
人を一人殺すということは恐ろしいことです。結城はただの狂った「悪」の殺人者です。
では、大量破壊兵器によって人を殺すことはどうなんでしょうか?不幸な事故で人間がわけもわからないまま死んだのは誰が悪いのでしょう?死も生も「なかったこと」にした人間は?そして死も生も「なかったこと」にされた人間は?

余談ですが、MWは始め少年誌で連載するはずだったのですが、内容が少年向けでなく止められたそうです。それで少年向きに内容を改定したものがサンデーで連載されました。
タイトルは『バンパイヤ』。心やさしい獣人が主役ではありますが、もう一人の主役として、己のために生きる人間が登場し、「悪」とは何かを問いかけてきます。

ゆびさきミルクティー(1~7)/宮野ともちか 感想 

ゆびさきミルクティー 7 (ジェッツコミックス)ゆびさきミルクティー 7 (ジェッツコミックス)
(2006/08/29)
宮野 ともちか

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ゆびさきミルクティー:宮野ともちか
現7巻まで発売。ヤングアニマル連載中。ただし続きが出るかは不明。
女装/百合

内容
女装趣味を持つ少年池田由紀(イケダヨシノリ、女装時はユキ)を中心に展開される恋愛漫画。
現在は休載中。

感想
女装ものというと最近は『乙女はお姉さまに恋してる』や『まりあ†ほりっく』のような目的のための手段としての女装が多くなっていますが、この作品は女装すること自体が目的になっています。

主人公である由紀は、アルバイト先の写真館でウエディングドレスのモデルをしたことがきっかけで女装してセルフポートレートを撮るのが趣味になります。7巻表紙のピンク髪の子で、見た目は可愛いです。かつらに、体形の分かりづらいひらひらした服を着ることが多い、スレンダーな女装ヒロインです。
女性への憧れ、体の成長で女装が難しくなったときの苦しさといった心理。女装するために運動をやめ筋肉を落とす、ヒロインの行動を真似て女性的にふるまおうとするなど、萌え系作品ではあまり見られないリアルな描写が多くされています。女装した自分をかわいく思うなど、若干ナルシストな所もあります。自分か女装する男の子の心理描写を、しっかり見たいという人にはお勧めできます。
1~4巻では単行本の半分は女装です。それ以降は体の成長、状況の変化もあり女装回数は減りますが、6巻後半から再び積極的に女装行うようになっています。7巻では日傘+ワンピースと水着姿を披露しています。
なお可愛くなりたい、女の子になりたいという気持ちはありますが、けして男が好きなわけではありません。むしろ女性への性欲は強い方で、殊に恋愛に関してはなかなかの屑っぷりを発揮します。

内容は、女装と三角関係の恋愛がテーマです。絵柄は柔らかな少女漫画風ですが、肉体関係まではいかないものの性的な描写が多く、女装を始め近親愛やロリータコンプレックス、同性愛など、フェチ的な要素も高くなっています。
由紀は森居左(中学生。元気な妹キャラ)と黒川水面(美人な優等生)の2人に好かれているのですが、どちらも大切な女性なので悩み苦しんでいます。結果、別れると告げに行ったのに慰めキスで泥沼化や、水面とSEXスレスレまで行った直後に左と風呂でエロいことをするといったダメ男ぶりを発揮しています。この2人以外にも、由紀を溺愛している姉と際どいところまでやることもありました。
一方で、自分は水面の女友達にまで嫉妬するなど独占欲は高いです。親友(男)に惚れている後輩(女)に協力するといった直後にその親友相手にキスをしたりと、男相手でも状況を悪化させる手腕はいっそ見事。その後も、ユキに惚れている親友相手になにかとちょっかいをかけています。
心理描写が丁寧なのも、由紀のダメさを後押ししています。例えば、「誘ってきた左を押し倒す」という短い行動でも、こんなことをしてしまう自分は駄目だでも手を出さずに入れるわけない水面とキスした続きが知りたいと、自責・自己弁護・他のヒロインを出すというダメコンボをしてくれます。よく「最悪だな俺」とつぶやいていますが、実際その通りです。
ヒロインも、依存・鬱度が高かったり、いきなり胸を見せてみたりする癖の強いキャラが多いです。

百合要素では、男性が苦手な水面が女装した主人公に好意を抱いたり、左を大好きなボクっ娘が出てくるなどがあります。この作品の登場人物の多くがそうであるように、このボクっ娘も捻じれた感情を持っていますが、左に対してはストレートに好意を示してくれるので癒されました。

濃いフェティッシュな描写や、主人公の性格と癖が強い作品ですが、女装を扱った作品としてはとても面白かったです。
特に6巻で由紀が女装した自分への恋心を自覚する場面は、最低でしたが切ないです。

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「ゆびさきミルクティー/宮野ともちか」特別編 ヤングアニマル16号掲載 ※最終回後の左と加賀見の番外編になります。

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